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2018 年度 実施状況報告書

創傷治癒をシステムで理解する:間質細胞の傷害刺激感知から血管新生増強まで

研究課題

研究課題/領域番号 17K09559
研究機関獨協医科大学

研究代表者

岸本 聡子  獨協医科大学, 医学部, 助教 (10511488)

研究分担者 井上 健一  獨協医科大学, 医学部, 准教授 (90587974)
佐久間 理吏  獨協医科大学, 医学部, 講師 (10530199)
井上 晃男  獨協医科大学, 医学部, 教授 (20168454)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード創傷治癒 / 間質細胞 / 傷害刺激 / 血管新生
研究実績の概要

in vivoで創傷治癒プライミングに必要な傷害刺激の再現性を確認するため、下肢虚血モデルに各種SVFs(Sham、Injury only、Ischemia only、Injury+Ischemia)を同種移植した。その結果、下肢虚血処置の1日後にSVFsを移植したところ、Sham群では経時的に下肢が脱落したが、プライミング刺激(皮下脂肪栄養動脈の遮断;Injury + 脂肪実質を寸断;Ischemia)を与えたSVFsを移植すると、血管新生が促進された。プライミング刺激のどちらか片方(Injury only or Ischemia only)のSVFs移植では、組織の虚血状態は改善されなかった。また、CD31による免疫染色の結果、プライミング刺激を与えたSVFsを移植した群でCD31陽性の血管面積が有意に増加した。
増加した間質細胞の表面抗原プロファイルを検討するため、傷害刺激後に経時的(0,1,3,7日後)に採取した皮下脂肪からSVFsを単離し、細胞表面抗原染色によるフローサイトメトリーで細胞の構成を解析した。その結果、CD45の割合が移植後7日目に有意に増加したが、一方でCD45(-)/CD31(-)の割合は相反し、間質細胞の活性化が推察された。マクロファージは移植後7日目に有意に増加したが、M1(F4/80(+)/CD11c(+)/CD206(-))/M2(F4/80(+)/CD11c(-)/CD206(+))の割合に変化はみられなかった。CD34の割合は移植後3日目に有意に減少したため、脂肪線維化と脂肪前駆細胞への関与を調べるために、CD9とCD140A(PDFGRalpha)の割合を測定したが、どちらか一方への関与は認められなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

増加細胞の構成細胞集団のうちマクロファージと活性化線維芽細胞の役割に注目して研究を進め、その後、各細胞をセルソーターで経時的に単離して、追加でマイクロアレイ解析を行う予定であった。しかし、マイクロアレイ解析を実施するために必要なデータが整わず、今年度内に実施することができなかった。

今後の研究の推進方策

早急にマイクロアレイ解析を実施するために必要なデータを整え、外部委託にてマイクロアレイ解析を実施する予定である。

次年度使用額が生じた理由

今年度は、増加細胞の構成細胞集団のうちマクロファージと活性化線維芽細胞の役割に注目して研究を進め、その後、各細胞をセルソーターで経時的に単離してマイクロアレイ解析を行う予定であった。そのため、マイクロアレイ解析の外部委託費用として1,000,000円の予算を計上して申請していた。しかし、マイクロアレイ解析を実施するために必要なデータが整わず、今年度内に実施することができなかった。次年度は、早急にマイクロアレイ解析を実施するために必要なデータを整え、外部委託にてマイクロアレイ解析を実施する予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Low-Molecular Weight Heparin/Protamine Micro-Nanoparticles Augmented Viability of Human Adipose-Derived Regenerative Cells.2018

    • 著者名/発表者名
      Masashi Sakuma, Satoko Kishimoto, Ken-ichi Inoue, Ryoichi Sohma, Shigeru Toyoda, Hideki Iwaguro and Teruo Inoue
    • 雑誌名

      Biomedical Journal of Scientific and Technical Research

      巻: 12 ページ: 1-3

    • DOI

      10.26717/BJSTR.2018.12.002265

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Autologous and heterotopic transplantation of adipose stromal vascular fraction ameliorates stress urinary incontinence in rats with simulated childbirth trauma2018

    • 著者名/発表者名
      Ken-ichi Inoue, Satoko Kishimoto, Kanya Kaga, Miki Fuse, Akira Furuta, Tomonori Yamanishi
    • 雑誌名

      Regenerative Therapy

      巻: 8 ページ: 9~14

    • DOI

      10.1016/j.reth.2017.11.003

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Reproducible insulin secretion from isolated rat pancreas preparations using an organ bath.2018

    • 著者名/発表者名
      Asuka Morita, Motoshi Ouchi, Misao Terada, Hiroe Kon, Satoko Kishimoto, Keitaro Satoh, Naoyuki Otani, Keitaro Hayashi, Tomoe Fujita, Ken-ichi Inoue, Naohiko Anzai
    • 雑誌名

      Experimental Animals

      巻: 67 ページ: 15-22

    • DOI

      10.1538/expanim.17-0059

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Biomaterials as cell carriers for augmentation of adipose tissue-derived stromal cell transplantation.2018

    • 著者名/発表者名
      Masayuki Ishihara, Satoko Kishimoto, Shingo Nakamura, Koichi Fukuda, Yoko Sato, Hidemi Hattori
    • 雑誌名

      Bio-Medical Materials and Engineering

      巻: 29 ページ: 567-585

    • DOI

      10.3233/BME-181009

    • 査読あり
  • [学会発表] 組織間質細胞の修復戦略を細胞社会の文脈で理解する2018

    • 著者名/発表者名
      井上健一, 岸本聡子, 井上晃男, 吉田謙一郎
    • 学会等名
      第17回日本再生医療学会総会

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公開日: 2019-12-27  

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