研究課題
データベース管理:本年は重症下肢虚血患者レジストリの集積と解析を主な業務として昨年に引き続き行った。高気圧酸素治療:学会発表を通じて本研究のテーマ、内容と現在まで集積されたデータ内容を公表している。これまでの活動内容より日本高気圧環境・潜水医学会関東甲信越地方会理事に任命された。また学術委員としての学会教育活動は、学会委員会への参加に加え末梢動脈疾患に対するエビデンスの報告と日本国内医療従事者への教育等を担当している。特に本年はレジストリから判明した重症下肢虚血患者の多変量解析による心血管イベントの独立危険因子を同定し、更なる治療介入の重点領域の探索に努めた。さらに本年度は高気圧酸素治療の保険点数が大幅に増加し、適切な説明と診療を行うことにより前年比12%の治療患者数増加につながっている。血管再生治療:本年は基礎研究として多血小板血漿から得られる増殖因子の徐放化技術を用いた骨癒合に関する基礎研究を大学院生を指導しその結果を論文にて発表した。臨床では自己骨髄幹細胞移植による血管再生治療は先進医療B施設として厚生労働省に認可され、Burger病に対する治療が可能となった。さらにカラドリウス社CLBS12臨床治験を招致することができ、末梢血幹細胞を使用した閉塞性動脈硬化症に対する治験を開始している。学会発表は各学会シンポジウム等を通じ再生医療の普及と研究内容の紹介に努め、日本再生医療学会社員(評議員)に任命された。機器管理:多血小板血漿採取装置の点検保守業務を行い、消耗品購入にあてた。
2: おおむね順調に進展している
前年度の施設準備が完成したことにより本年度は先進医療B認定施設としての厚生労働省より認可され、研究体制が整った。適切なソフトウェアを使用したデータベース構築も行われ、入力作業を継続している。各種認定のための事務処理により遅延したデータベース管理を重点的に行い、入力データより多変量解析やカットオフ算出のためのROCカーブを活用した統計解析を施行。学会にて発表を行った。高気圧酸素治療装置での治療依頼は主に関東圏からの紹介があり、受診患者は週3回の治療継続を維持しおおむね順調に増加している。再生医療登録はスクリーニングのうえ登録を進めている。
患者登録の継続が第一であるため、患者リクルートを目的に各学会でのプロモーションとフットケアを含めた医療連携の場で頻回のプレゼンテーションを予定している。再生治療は学会活動の参加に加え、京都府立医科大学循環器内科で行われている先進医療B共同施設として連携を図り、患者登録を継続する。新体制をホームページ刷新により案内しており、更なる医療協力体制を構築しており、現時点で解析可能なレジストリデータからの研究結果を論文化し発表予定である。また本年度は新たな末梢動脈疾患に対する再生医療の保険認可が予定されており、新しい保険診療行為として治療開始準備を行う。
平成30年度に発注した物品の一部が在庫欠損しており、次年度に到着予定となったため。すでに発注予定を組んでいる内容であり使用計画は消耗品として購入予定となっている。
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Tissue Engineering Part A
巻: 24 ページ: 1406~1412
10.1089/ten.TEA.2017.0505