研究課題/領域番号 |
17K09570
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
前嶋 康浩 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 講師 (40401393)
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研究分担者 |
小西 正則 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 助教 (70792018) [辞退]
磯部 光章 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 非常勤講師 (80176263)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 心不全 / インフラマソーム / オートファジー |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、心筋において選択的オートファジーによりインフラマソームを分解する分子機序を解明し、このメカニズムが機能不全に陥ることによる心不全の発症および病状進展の抑制を目的とした創薬シーズを探索して、新規の心不全治療法の開発を目指すことである。この目的を達成するために、圧負荷モデルマウスなど心不全マウスモデルにおいてインフラマソームの活性化が心機能の低下に重要な役割を果たしていることが報告されていることを踏まえて、まずマウスに大動脈縮窄術を施して作成した圧負荷モデルマウスを用いた検討を行った。圧負荷モデルマウスは手術直後からクロロキン投与を開始してオートファジーを阻害する群と手術直後からMG132投与を開始してプロテアソームを阻害する群と非投与群に分けた。そして、6週間後に血圧・脈拍・心機能評価を行い屠殺し、心機能の変化についてクロロキン投与群、MG132投与群と非投与群の間で比較・検討を行った。検討内容としては、各群間における心機能や組織学的な変化、またウエスタンブロッティングなどによる分子生物学的検討を行った。その結果、オートファジー阻害群とプロテアソーム阻害群は対照群と比較して有意に心機能が低下し、心筋のダメージや線維化が悪化していた。また、オートファジー阻害群とプロテアソーム阻害群を比較したところ、オートファジー阻害群の方でよりインフラマソームの量や活性が抑制されており、インフラマソームの分解にはユビキチン・プロテアソーム系よりもオートファジーの方がより重要な役割を果たしている可能性を示唆するデータが得られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
in vivo実験を通して、インフラマソームの分解にはユビキチン・プロテアソーム系よりもオートファジーの方がより重要な役割を果たしている可能性を示唆するデータが得られたため。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年以降も当初の計画に沿った実験を継続し、期限内に目的を達成できるよう努める方針である。
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次年度使用額が生じた理由 |
導入が遅れているNLRP3ノックアウトマウスの購入に充てるため、平成29年度に使用する予定であった予算を次年度(平成30年度)に使用する予定としたため。
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