今後の研究の推進方策 |
心リモデリングに対するオメンチンの作用解明:摘出心を用いた組織学的検討を行う。HE染色、Masson-trichrome染色標本を用いて、心筋梗塞巣の面積測定、間質.血管周囲繊維化や炎症細胞浸潤の経時的変化の比較検討を行う。アポトーシスへの影響をTunel染色にて検討する。心筋肥大への影響をWheat Germ Agglutinin (WGA)染色にて検討する。血管新生への影響をCD31染色にて検討する。 心臓構成細胞に対するオメンチンの作用とシグナル伝達機構の解明:AMPKシグナル伝達経路の解析を継続する。siRNAや阻害剤あるいはdominant-negative 変異体などを用いて検討する。ドミナントネガティブAMPKを筋肉特異的に過剰発現させたマウス(dnAMPK-TGマウス)を用いてin vivoの系でシグナル伝達機構を明らかとしていく。 ブタ心筋虚血再灌流傷害モデルを用いたオメンチンの効果検討:ブタ摘出心筋や血液検体を用いて検討を進める。種々のシグナル伝達系物質(AMPK, COX-2, P38, ERK 等)をウエスタンブロッティング法により評価する。ELISA法にて血中TNF-α,IL-6,IL-10等を測定する。摘出心筋組織を用いてTNF-α,IL-6,IL-10等の発現を定量的PCR法にて評価する。Tunel染色、caspaseファミリーの発現検討にてアポトーシスを評価する。 各種薬剤によるオメンチン産生、分泌活性化を介した新たな心血管病治療戦略の検討:糖尿病患者を対象に、内服治療(DPP4阻害薬 メトフォルミン SGLT2阻害薬)開始前、治療開始6ヶ月後に採血を行い、ELISA法によりオメンチン血中濃度の測定を行い、オメンチン濃度の変化を検討する。
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