NRDCの生体における機能はこれまで全く不明であったが、NRDC-/-における研究成果から、NRDCが心拍数、血圧、体温調節などの恒常性維持に重要な役割を持つことが示唆された。一方、NRDCは全身に広く発現するので、NRDC-/-の表現型が一次的かどうかを判断するには困難を伴う。そこで、最近作製した臓器特異的NRDC欠損マウスや酵素活性欠失型変異NRDCマウスの解析を行い、心拍数調節のメカニズムの解明の足掛かりとした。これらの成果を今後発展させることで、ヒトにおける遺伝性洞不全症候群の原因解明やNRDCの酵素活性中心をターゲットとした創薬開発の基盤に役立てることができると考えられた。
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