研究課題/領域番号 |
17K09586
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
平井 希俊 関西医科大学, 医学部, 講師 (60422929)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | ErbB / 心筋細胞 / ライブイメージング / 増殖 |
研究実績の概要 |
現在、ツールマウスの作成途中で、遺伝子改変ES細胞の株を、8細胞期のマウス胚にインジェクションして、順次キメラマウスを作製している。当初、ターゲティングマウスを作製後に改めて薬剤耐性遺伝子を除去する必要がないように、遺伝子改変ES細胞の作製に、薬剤耐性遺伝子を含まないターゲティングベクターを用いた。ゲノム編集技術を用いて、適切にターゲティングされたES細胞を、効率よく作製することに成功したが、適切にターゲティングされていないES細胞の混入があったため、目的のほとんどのマウスを得ることができなかった。そのため、改めて薬剤耐性遺伝子を含むターゲティングベクターを作製し、薬剤を用いたセレクションを行って遺伝子改変ES細胞を作製し直し、キメラマウスを作成している最中である。 作製予定のコンディショナルノックインマウスの一つは、すでにgerm-line transmissionを得ており、心筋細胞特異的に目的の遺伝子を発現させるためにトロポニンT Creマウスと掛け合わせている。 心筋細胞の増殖の可視化に関しては、申請時には採取した心臓の厚組織切片を作成し、それを培養することでライブイメージングを行う予定であった。当該年度はさらに発展させた形で、成体マウスの中で拍動する心臓を1細胞レベルで可視化するシステムを開発し、ほぼ完成に近づいている。目的のマウスを得たら、多光子顕微鏡を用いたライブイメージングをいよいよ始めるところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
薬剤によるセレクションが甘かったためか、目的の遺伝子がターゲティングされていたES細胞に、ターゲティングされていないES細胞がコンタミしていたたため、germ-line transmissionを得たにもかかわらず、目的のマウスをほとんど得られなかった。そのため薬剤耐性遺伝子を含んだターゲティングベクターを作製し直し、再度、ES細胞にターゲティングした。現在8細胞期のマウス胚に順次インジェクションして、キメラマウスを作成中である。
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今後の研究の推進方策 |
作製したターゲティングマウスを用いて、拍動心臓のライブイメージングの系を確立すると同時に、EdUの取り込み、および心筋細胞の数を評価することにより、目的遺伝子の強制発現による心筋細胞の増殖能の変化を検討する。 また作製できていないターゲティングマウスについては、遺伝子改変ES細胞を順次、8細胞期マウス胚にインジェクションし、完成を急ぐ。
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次年度使用額が生じた理由 |
遂行を計画していたライブイメージングの備品の購入を予定していたが、その前段階で顕微鏡のセットアップが間に合わなかったため、購入を延期せざるを得なかった。本年度にその備品を購入する予定である。なおこの延期による、研究計画の遂行の支障はない。
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