血中濃度を測定しターゲット濃度を継続させることで、1)副作用を未然に防止でき、2)無効域推移による無駄な時間とコストを削減でき、攻めの治療が実施できるはずである。本研究の特色は、TDMのみならず薬剤血中濃度を予測しうる遺伝子多型より、治療開始前から効果と有害事象を予測することある。それにより試行錯誤的治療を回避し、より早くターゲット血中濃度に到達させることで、効率良く治療を進めることができるようになる。本検討によってもたらされる治療戦略はいかに安全かつ効率的に治療を継続させるかであるが、そればかりか、高齢化社会を迎えるに当たり、高騰の一途をたどる薬剤費の抑制を図れる手段の一つともなりえる。
|