研究課題/領域番号 |
17K09605
|
研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
大橋 和政 新潟大学, 医歯学総合病院, その他 (50463998)
|
研究分担者 |
坂上 拓郎 新潟大学, 医歯学総合病院, その他 (00444159)
高田 俊範 新潟大学, 医歯学総合病院, 特任教授 (40361919)
林 正周 新潟大学, 医歯学総合病院, その他 (40463997)
朝川 勝明 新潟大学, 医歯学総合病院, その他 (60599158) [辞退]
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | PMX-DHP / ILD |
研究実績の概要 |
【背景と目的】急速進行性間質性肺炎肺疾患や特発性間質性肺炎の急性増悪に対して、エンドトキシン吸着(PMX-DHP)療法の有効性が示唆されている。PMX-DHP療法の作用機序を明らかにする。 【方法】当院で急性呼吸不全に対してPMX-DHP療法を施行されした6症例の保存血清を対象に、のPMX-DHP療法前、PMX-DHP療法終了直後、PMX-DHP療法終了48時間後以降の血清を対象に、サイトカイン38種類の濃度を測定変化をサイトカインパネルを用いて解析する。 【結果】症例は、1,MCTD-ILD急性増悪/MAC症、2, 自己免疫性肝炎/fNSIP急性増悪、3,食道がん術後縫合不全・再建胃管壊死/CPFE急性増悪、4,抗MDA-5抗体陽性皮膚筋炎にともなうILD、5,SjS-IP急性増悪、6,6NSIP急性増悪の6例であった。全例ステロイドパルス療法に加えてPMX-DHP療法を実施し、症例4以外は救命できた。サイトカインパネル解析では、全症例でIL-7がPMX-DHP療法終了直後に低下しPMX-DHP療法終了48時間以降に再上昇を認めた。また、MDCがPMX-DHP終了直後に低下しPMX-DHP療法終了48時間以降にさらなるに低下を認めしていた。これよりPMX-DHP療法によりは、血清IL-7、MDC濃度をが変化させることによりし、ILD症例の病態予後に影響を与えている可能性が示唆された。 上記結果を第58回日本呼吸器学会学術講演会で発表した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成29年度の研究計画として魚沼基幹病院および新潟大学医歯学総合病院において急性呼吸不全と診断され、PMX-DHP療法を施行された急速進行性ILD患者のデータベースの作成を予定した。現時点で6例の解析を終了し、今後症例を増やして解析を進めていく予定であるが、6例の時点でIL-7とMDCに一定の傾向を見いだせたことは今後の研究を進めていくうえで有益な結果を得られたと考える。 また上記結果を第58回日本呼吸器学会学術講演会で発表し、有益な意見交換ができた。
|
今後の研究の推進方策 |
引き続き、PMX-DHP療法を施行された急速進行性ILD患者のデータベースを作成しつつ、治療前の血清が保存されている、急速進行性ILD症例のデータベースを作成する。多くの症例は治療前の気管支肺胞洗浄の際に採血、血清保存をしており、これらの検体を対象とする。②保存結成を対象に、サイトカインパネル解析を行う。③それぞれのサイトカイン濃度と症例の予後との関連を統計学的に解析する。 こうして、急速進行性ILDの進展・難治化への関与が疑われるサイトカインを選び出す。これらの症例で経時的に血清が保存されているものがあれば、それを対象にサイトカインパネル解析を行い、各サイトカインと病態との関連を明らかにする
|
次年度使用額が生じた理由 |
共同研究者4名用に確保した旅費のうち2名から旅費の申請がなかった。 差異分は今後の旅費、特に海外出張した分への補助を念頭に使用を予定する。
|