研究課題/領域番号 |
17K09607
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
原 丈介 金沢大学, 附属病院, 助教 (30710199)
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研究分担者 |
笠原 寿郎 金沢大学, 医学系, 准教授 (30272967)
石浦 嘉久 関西医科大学, 医学部, 教授 (60293338) [辞退]
和泉 自泰 九州大学, 生体防御医学研究所, 准教授 (70622166)
阿保 未来 金沢大学, 医学系, 協力研究員 (70733864)
大倉 徳幸 金沢大学, 医学部附属病院, その他 (80397215)
藤村 政樹 金沢大学, 医学系, 協力研究員 (90190066)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 呼気凝縮液 / 慢性咳嗽 / 病態診断 |
研究実績の概要 |
慢性咳嗽の診断は,薬物療法の効果に依存する治療的診断が主流である.治療的診断の問題点として,①偽薬効果および自然軽快による偽陽性,②治療抵抗性,不十分な治療および複数疾患の併発による偽陰性の問題がある.咳嗽診療に重点をおいた施設では,治療的診断以外に,各種生理機能検査を用いて病態的診断を試みているが,そのような生理機能検査を実施できる医療機関は限られている.どこの医療機関でも,非侵襲的に,繰り返し採取できる検体を使用した慢性咳嗽の診断法の開発が必要である.安全に簡便に採取できる呼気凝縮液(exhaled breath condensate:EBC)中の脂質mediatorを高感度に解析することにより慢性咳嗽の診断法の確立,病態評価および咳嗽難治化因子の解明を目指すことを目的に研究を開始した.検体を九州大学生体防御医学研究所に送り,mediatorを測定する計画とした. R-tubeを用いて,20数名分の患者EBCを回収し,九州大学へEBC検体を送った.同施設において,超高速液体クロトマトグラフィーとマルチプルリアクションモニタリング測定を組み合わせた高感度な解析を行った.予備試験の結果,患者EBCから診断の指標になりえる数種のロイコトリエン類の検出に成功したものの,定量結果の再現性が悪いことが明らかとなった.同一時に採取した同一の検体においても再現性が得られておらず,その原因は不明である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
EBCの定量結果の再現性が悪いことが明らかとなった.このような現象は,九州大学におけるこれまでの血液や細胞,組織試料を用いた測定では起こりえなかったものであり,現在,当該問題の解決策について詳細に検討している.
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今後の研究の推進方策 |
検討すべき事項として,EBC回収量の問題,EBC採取から凍結保存するまでの時間的問題,EBC採取から測定までの期間の問題,EBC回収機器の問題などがある.さらに,測定検体をEBC以外の血液,尿,喀痰などに変更することも検討している.
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次年度使用額が生じた理由 |
呼気凝縮液中のmediator測定が再現性のある結果に至らなかったため,R-tubeを使用した呼気採取を一時的に中断した.その結果,当初の予定より研究にかかる支出額が減少した. 呼気採取キットの見直し,測定検体の変更等を検討しており,差額をそれら変更に関わる費用に充てる予定である.
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