研究課題/領域番号 |
17K09611
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
田口 修 三重大学, 医学系研究科, リサーチアソシエイト (90197244)
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研究分担者 |
GABAZZA CORINA 三重大学, 医学系研究科, 特任講師(研究担当) (10750656)
戸田 雅昭 三重大学, 医学系研究科, 講師 (10202201)
小林 哲 三重大学, 医学部附属病院, 准教授 (20437114)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | ムチン / サイトカイン / 肺線維症 / PCR成長因子 / ケモカイン / コラーゲン / 細菌叢 / MUC5B |
研究実績の概要 |
平成31年度ではこれまでヒトMUC5Bトランジェニックマウス(MUC5B TG/BLM群)と野生型マウス(WT/BLM群)の両者を用いて作製したブレオマイシン(BLM)誘発肺線維症モデルから得た検体を合わせてコラーゲンのマーカー、気管支肺胞洗浄液(BALF)中の炎症性細胞数、炎症性サイトカイン、ケモカイン、成長因子を含む種々のパラメーターを測定して統計学的解析を行った。ヌクレオカウンターを用いてBALF中の総細胞数をカウントした。コラーゲンのマーカーとして肺組織中のヒドロキシプロリンの含有をコロリメトリック法で測定した。インターロイキン(IL)-1β、腫瘍壊死因子(TNF)-α、インターフェロン(IFN)γ, トランスフォーミング成長因子(TGF)β1、単球走化性促進因子(monocyte chemoattractant protein-1: MCP-1)などの炎症性サイトカイン、ケモカインは酵素結合免疫吸着測定法又はPCR法を用いて測定した。総蛋白量はコロリメトリック法で測定した。肺線維症の定量化はアシュクロフトスコア法で行った。その結果、MUC5B TG/BLM群では、WT/BLM群に比べ、BALF中の総細胞数、肺組織中のヒドロキシプロリンの含有及び肺組織中のtotal TGFβ1、active TGFβ1、IFNγの濃度は有意に低下した。PCRの検査を行ったところ、MUC5B TG/BLM群では、WT/BLM群に比べ、マウスTGFβ1, フィブロネクチ、α-smooth muscle actinのmRNA発現は有意に低値を示した。以上の結果より、肺線維症の病態においてMUC5Bの過剰発現は防御的であることが示唆された。
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