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2019 年度 実績報告書

肺腺がんの微小乳頭状構造のオルガノイド培養システムの確立

研究課題

研究課題/領域番号 17K09614
研究機関神戸大学

研究代表者

永野 達也  神戸大学, 医学研究科, 助教 (80624684)

研究分担者 西村 善博  神戸大学, 医学部附属病院, 教授 (20291453)
立原 素子  神戸大学, 医学研究科, 講師 (40448626)
田村 大介  神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (80646597)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード肺腺癌 / CARD9 / 免疫染色
研究実績の概要

今回、我々は肺腺癌の悪性度を規定する因子を探索することを目的に研究を行った。そのために、2014年1月から12月までの間に神戸大学医学部附属病院で外科手術が行われ、肺腺癌と診断された74名の患者のパラフィン包埋ブロックを用いて、スパイラルアレイブロックを作成した。まず、骨髄細胞に高発現しており、自然免疫で中心的な役割を果たしており、近年、癌における役割が注目されているCaspase recruitment domain-containing protein 9 (CARD9)に着目して、免疫染色を行ったところ、CARD9を高発現している症例は肺腺癌全体の32.4%に見られ、低発現しているものより有意に予後不良であった(P = 0.0402)。また、単変量解析、多変量解析にてCARD9の高発現は肺腺癌の独立した予後不良因子であることが分かった。A549、PC9とII18といった肺腺癌の細胞株のCARD9の発現をsiRNAでノックダウンし、MTTアッセイで細胞増殖能を評価したところ、ノックダウンしていない細胞株に比較して、ノックダウンした細胞株では増殖能が減弱することが分かった。続いてcleaved caspase 3の免疫染色により、アポトーシスを評価したところ、CARD9のノックダウンにより、アポトーシス細胞が増加することがわかった。さらにウェスタンブロッティングでNFκBの活性化を評価したところ、CARD9のノックダウンでNFκBの活性化は抑制されることが分かった。以上のことから、CARD9は肺腺癌の増殖とアポトーシスに重要な役割を果たしており、肺腺癌の独立した予後不良因子となりうることが明らかとなった。CARD9は肺腺癌の新しい分子標的となりうる可能性がある。

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公開日: 2021-01-27  

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