研究課題/領域番号 |
17K09626
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
山口 央 埼玉医科大学, 医学部, 助教 (70795913)
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研究分担者 |
各務 博 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (30418686)
前田 卓哉 埼玉医科大学, 医学部, 准教授 (20383763)
鈴木 穣 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (40323646)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 薬剤性肺障害 / 免疫チェックポイント阻害薬 / 非小細胞肺癌 / 抗PD-1抗体 / 抗PD-L1抗体 / 間質性肺疾患 |
研究実績の概要 |
研究課題「抗PD-1/PD-L1抗体関連肺有害事象の免疫学的メカニズムと対応抗原の解明」として2017年7月に本学IRBに申請(申請番号17-083)し、2017年12月20日に承認を得た。以後、対象患者のエントリーを進め、適宜解析を行っている。 一方、2017年度中に関連研究として、埼玉医科大学国際医療センターにおける抗PD-1抗体使用患者の肺障害発症について後方視的に調査した。一部の患者で末梢血単核球細胞(PBMC)解析に関しても検討を行い、肺障害を発症した患者群と病勢コントロールが得られた患者群では免疫状態(リンパ球分画)が類似していることが分かった。このことから、肺障害発症と治療効果に関連があることが示唆される。この数年で主に本邦より免疫チェックポイント阻害薬治療による免疫関連有害事象(Immune-related Adverse Events:irAE)の発症が治療効果のサロゲートマーカーになっている可能性があるということが多数報告されている(Harataniら.JAMA Onco.2018;4:374-378など)。当院の検討でも肺障害発症患者は予後が長い傾向があり、これらの報告を支持する結果であった。 本研究は最終的に肺胞洗浄液中リンパ球とPBMCのレパトア解析の比較を予定している。免疫チェックポイント阻害薬による肺障害発症の機序解明に貢献し得る重要な課題である。また、irAEの中でも肺障害は致死的な副作用であり、治療前のPBMC解析で肺障害発症リスクが予測可能になれば、患者個人の利益が大きいと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2019年5月現在、抗PD-1/L1抗体関連肺障害を発症した3名の同意を得て、気管支肺胞洗浄液の採取、PBMC採取を行い、それらを解析中である。 本研究の目標患者数・検体数は10名であり、患者エントリーの観点からはやや遅れている。気管支鏡検査の施行に安全性の観点から適格基準を設けている。抗PD-1/L1抗体関連肺障害の発症頻度が10%前後としても、実際に検査可能な対象患者は少ない。
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今後の研究の推進方策 |
今後も本研究の対象患者に協力を依頼する。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度のFACS用抗体等の必要物品等の購入に充当する。
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