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2017 年度 実施状況報告書

肺がん幹細胞の起源の違いに基づく新たな治療標的の探索

研究課題

研究課題/領域番号 17K09631
研究機関関西医科大学

研究代表者

熊野 恵城  関西医科大学, 医学部, 准教授 (90396721)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード肺がん / がん幹細胞 / Bmi1 / Notch
研究実績の概要

Bmi1については放射線による肺障害モデルにおいて、I型肺胞上皮およびII型肺胞上皮の両方が再生されることがわかり、Bmi1陽性細胞は肺胞領域の幹前駆細胞であることがわかった。Bmi1はSPC陽性のII型肺胞上皮細胞の一部に発現していることを確認した。これによりfacultative stem cellとして機能するAT2細胞においてBmi1が幹細胞マーカーとして働く可能性があると考えられるが、その機能的役割と幹細胞活性を付与する分子メカニズムについて検討するため以下の検討を行った。
Notchレポーターマウス(TP1-YFPマウス)を用いた予備的な検討によりfacultative stem cellにおけるNotchシグナルの活性化を確認した。facultative stem cellであるBmi1陽性細胞においてNotchシグナルの抑制(Bmi1-CreERT2/GCOC/RBPJflox/flox)によるfacultative stem cellの挙動を観察した。その結果放射線照射などの障害を与えることなく、Bmi1陽性細胞からAT1細胞へのspontaneousな分化が観察された。このことはNotchシグナルがfacultative stem cellであるAT2細胞の分化を抑制していると考えられる。
Bmi1-CreERT2/Loxp-STOP-Loxp(LSL) KrasG12Dを作製することにより幹細胞マーカーを発現する細胞にTM誘導によりKras変異を発現させたところ、1つの幹細胞からclonalに腫瘍化が起こることを確認した。このfacultative stem cellからのがん化においても上記と同様にNotchシグナルを抑制することで、初期のがん化過程には影響がないが、12w以降でがん化が抑制されることがわかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

facultative stem cellであるBmi1陽性細胞の分化抑制のメカニズムを同定できた。

今後の研究の推進方策

今後はBmi1flox/floxマウスを用いてfacultative stem cellにおけるBmi1の機能的な役割について検討する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件)

  • [雑誌論文] Intestinal stem cells contribute to the maturation of the neonatal small intestine and colon independently of digestive activity.2017

    • 著者名/発表者名
      Yanai H, Atsumi N, Tanaka T, Nakamura N, Komai Y, Omachi T, Tanaka K, Ishigaki K, Saiga K, Ohsugi H, Tokuyama Y, Imahashi Y, Ohe S, Hisha H, Yoshida N, Kumano K, Kon M, Ueno H.
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 7 ページ: 9891-9901

    • DOI

      10.1038/s41598-017-09927-2.

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] Intestinal cancer stem cells marked by Bmi1 or Lgr5 expression contribute to tumor propagation via clonal expansion.2017

    • 著者名/発表者名
      Yanai H, Atsumi N, Tanaka T, Nakamura N, Komai Y, Omachi T, Tanaka K, Ishigaki K, Saiga K, Ohsugi H, Tokuyama Y, Imahashi Y, Ohe S, Hisha H, Yoshida N, Kumano K, Kon M, Ueno H.
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 7 ページ: 41838-41848

    • DOI

      10.1038/srep41838.

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著

URL: 

公開日: 2018-12-17  

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