研究課題
Notchレポーターマウス(TP1-YFPマウス)を用いた予備的な検討によりfacultative stem cellにおけるNotchシグナルの活性化を確認した。facultative stem cellであるBmi1陽性細胞においてNotchシグナルの抑制(Bmi1-CreERT2/GCOC/RBPJflox/flox)によるfacultative stem cellの挙動を観察した。その結果放射線照射などの障害を与えることなく、Bmi1陽性細胞からAT1細胞へのspontaneousな分化が観察された。このことはNotchシグナルがfacultative stem cellであるAT2細胞の分化を抑制していると考えられる。一方でBmi1は気管支-肺胞の境界に存在するBronchio-Alveolar stem cell (BASC)にも発現していることが知られている。同様にBASCにおいてNotchシグナルの抑制(Bmi1-CreERT2/GCOC/RBPJflox/flox)を行ったところ、Bmi1陽性細胞由来の神経内分泌細胞が認められた。Bmi1-CreERT2/Loxp-STOP-Loxp(LSL) KrasG12Dを作製することにより幹細胞マーカーを発現する細胞にTM誘導によりKras変異を発現させたところ、1つの幹細胞からclonalに腫瘍化が起こることを確認した。このfacultative stem cellからのがん化においても上記と同様にNotchシグナルを抑制することで、初期のがん化過程には影響がないが、12w以降でがん化が抑制されることがわかった。BASC由来の肺がん(終末細気管支に連続する)については神経内分泌マーカーが陽性の腫瘍の発症が認められた。
2: おおむね順調に進展している
肺のBmi1陽性細胞はヘテロな集団であり、同じ遺伝子変異をもつ場合でも起源を異にする場合の違う組織型の腫瘍の発症を確認した。
今回確認した神経内分泌マーカー要陽性の腫瘍の詳細な解析を行う。
すべて 2018
すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件)
Scientific Reports
巻: 8 ページ: 15855-15867
10.1038/s41598-018-34193-1
Stem Cell Reports
巻: 10 ページ: 1115-1130
10.1016/j.stemcr.2018.01.015