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2017 年度 実施状況報告書

気道上皮細胞の上皮間葉転換による自然免疫応答修飾作用の解明

研究課題

研究課題/領域番号 17K09633
研究機関独立行政法人国立病院機構東京病院(臨床研究部)

研究代表者

大島 信治  独立行政法人国立病院機構東京病院(臨床研究部), 臨床研究部, アレルギー科医長 (10724023)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードA549細胞 / 上皮間葉転換 (EMT) / LPS / SREC-1 / サイトカイン
研究実績の概要

背景:世界において喘息患者は増え続けており、中でも重症喘息はしばしば急性増悪を来すことから患者QOLを低下させ、問題となっている。喘息を含む慢性呼吸器疾患の急性増悪を来す原因として、最も高頻度に認められるのは呼吸器感染症である。重症喘息の不可逆的な病態であるリモデリングの発生機序の一つに、上皮間葉転換(EMT)の存在が示唆されているが、EMTと呼吸器感染症に対する自然免疫応答との関係を検討した報告は見当たらない。
目的と結果: そこで本研究は、気道上皮細胞がEMTを起こすことによる、自然免疫系生体防御反応に対する修飾作用とその成立機序を明らかにし、さらにその現象に対する既存の喘息治療薬を用いた介入効果を検証することを目的とする。
方法:ヒト肺胞上皮細胞株(A549細胞)に、TGF-betaを作用させ、72時間培養することでEMTを誘導し、LPSを作用させるとIL-6、IL-8、GM-CSFの産生が増強した。その機序を調べるため、LPSの受容体発現レベルをrealtime PCRで解析したところ、EMT誘導によりA549細胞のSREC-1の発現が増強した。SREC-1のノックダウンにより、EMT誘導後A549細胞のIL-8、GM-CSFの産生増強作用は抑制された。
考察:気道上皮細胞はEMTによりSREC-1発現増強を介してLPSに対するサイトカイン産生応答が亢進する可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

In vitroの実験が比較的順調に進んだため、論文として公表し得た。進捗は順調である。

今後の研究の推進方策

現在までにTLRリガンドとしてLPS、CpGの効果を解明しているため、今後他のTLRリガンドに対する影響も明らかにし、サイトカイン産生のみならず、細胞増殖能や粘液、細胞外マトリックス産生能についても解析を進める予定である。

次年度使用額が生じた理由

初年度はin vitroの実験を行い、必要試薬も多かったが、すでに研究室にある試薬を多く使うことができたため、使用額が予定を下回った。しかし、次年度以降は新たな試薬を購入する必要性も高いため、残金も含めて有効利用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Epithelial-mesenchymal transition of human lung adenocarcinoma A549 cells up-regulates cytokine production upon LPS stimulation.2017

    • 著者名/発表者名
      Kato T, Kobayashi K, Suzukawa M, Saito M, Okuda K, Koyama K, Igarashi S, Arakawa S, Ohshima N, Matsui H, Nagase T, Ohta K
    • 雑誌名

      Allergology International

      巻: 66S ページ: 56-58

    • 査読あり

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公開日: 2021-01-27  

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