重症喘息では気道リモデリングを伴うことが多く、またしばしば呼吸器感染症に伴う急性増悪によりQOLが大きく妨げられる。本研究では、気道リモデリングの原因の一つである気道上皮細胞のEMTにより、外来微生物由来抗原に対するサイトカイン・ケモカイン産生応答が亢進することで、病態がより重篤化する可能性が示唆された。喘息のみならず、EMTが関与すると考えられている間質性肺炎や肺癌においても、呼吸器感染症による急性増悪に同様の機序が関与している可能性も推察され、本研究結果を用いてその機序を明らかにし、治療ターゲットまで解明することが期待される。
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