ヒストン脱メチル化酵素JARID1a/bの阻害薬PBITは、癌幹様細胞を減少させ、薬剤耐性細胞の抗がん薬感受性を回復させた。さらに、PBITはEGFR阻害薬感受性細胞において、FRA1転写因子のプロモーター領域のヒストンH3K4の脱メチル化を抑制し、EGFR阻害薬によるFRA1の発現の低下を解除し、分泌シグナルのネットワーク(セクレトーム)を変化させることで、EGFR阻害薬耐性細胞の出現・増殖を抑制した。JARID1阻害薬はNSCLCのEGFR阻害薬を含む抗がん薬の耐性化を克服する新たな治療戦略となる可能性が示唆された。
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