非小細胞肺癌(NSCLC)細胞においてWnt/βカテニン経路活性化によりLGR6発現が誘導され、NSCLC細胞の増殖はLGR6阻害により抑制されることを見出した。また、LGR6発現はEGFR変異陰性、脈管浸潤陽性の肺腺癌において有意に高く、LGR6高発現が肺腺癌の予後不良因子であることが示された。さらに、マイクロアレイにより、CTNNB1変異陽性NSCLC細胞においてLGR6阻害により発現変動する遺伝子群を解析した結果、LGR6発現が炎症誘導や腫瘍微小環境に関わる経路や、癌幹細胞マーカー、サイトカイン、増殖因子などの遺伝子群の発現制御を介してNSCLCの悪性形質獲得に寄与することが示唆された。
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