研究実績の概要 |
ヒト悪性中皮腫細胞を用いて、ペメトレキセド耐性株を作成し、その耐性メカニズムを解明した。マイクロアレイ解析によりCardiac ankyrin repeat protein (CARP)、Adrenergic receptor β-2 (ADRB2)、Plasminogen activator inhibitor 1 (PAI1)、Integrin β-3(ITGB3)、A disintegrin and metalloproteinase with thrombospondin motifs 5 (ADAMTS5)、Insulin-like growth factor binding protein-3 (IGFBP3)などの遺伝子発現亢進を認めた。si-RNAによる発現抑制を行い、WST assay を用いた結果、CARPはペメトレキセド耐性株においては発現亢進を認めるものの、発現修飾による耐性度合いに変化は与えなかった。また同遺伝子の発現亢進はヒト中皮腫におけるペメトレキセド耐性のマーカーになることが示された。また併行して行ったヒト神経内分泌がん細胞株の実験では、Hedgehogシグナルの下流にあるSmoやGLIを抑制することにより細胞のviabilityが低下し、シスプラチンなどへの感受性が増加することが示された。これらの結果は、Ishiwata T, Iwasawa S, Ebata T, et al. Inhibition of Gli leads to antitumor growth and enhancement of cisplatin-induced cytotoxicity in large cell neuroendocrine carcinoma of the lung. Oncol Rep. 2018;39(3):1148-1154.などに報告した。
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