研究課題/領域番号 |
17K09650
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
榎本 紀之 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (50436961)
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研究分担者 |
須田 隆文 浜松医科大学, 医学部, 教授 (30291397)
永田 年 浜松医科大学, 医学部, 教授 (90275024)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 生分解性ナノ粒子 / ロングエピトープ |
研究実績の概要 |
生分解性ナノ粒子(polylactic coglycolic acid: PLGA)によりコートされた卵白アルブミン(OVA)由来の細胞障害性T細胞(CTL) およびヘルパーT細胞(Th)エピトープを連結したハイブリッドエピトープ長鎖ペプチド(long epitope)を作成し、骨髄由来の樹状細胞(BMDC)へパルスしたところ、OT-I細胞(CTL)に加え、OT-II細胞(Th)の強い増殖能を確認した。この効果はshort epitopeの混合(CTL+Th)+PLGAあるいlong epitope単独よりも高かった。 さらに細胞内寄生感染症のモデルであるリステリアのlong epitopeをPLGAに結合し、BMDCへパルスしマウスへ皮下注射したところ、脾臓におけるリステリア特異的なリンパ球増殖とインターフェロンγ産生を認めた。加えてlong epitope+PLGAをパルスしたBMDCをマウスへ皮下注射したところ、リステリア感染マウスでの脾臓での菌量低下を確認した。Long epitope + PLGAによる明らかな副作用は出現しなかった。 また、蛍光標識したPLGAをin vitroにてBMDCと2時間反応させたところ、蛍光顕微鏡にてBMDCの食胞内のエンドゾーム/ライソゾームと共に存在するPLGAを確認した。 以上の結果から、long epitope + PLGAによるワクチン療法は、安全かつ有効な新規ワクチンとしての利用が期待できると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
PLGAとロングエピトープによるBMDCクロスプレゼンテーション能への増強作用が確認でき、概ね予想どおりの結果が得られている。細胞内寄生感染症におけるワクチン療法として、その効果が期待できると思われる。
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今後の研究の推進方策 |
今後はPLGAとロングエピトープによるBMDCクロスプレゼンテーション能への増強作用のメカニズムを解明する予定である。特にin vivoにおいて、皮下注射したBMDCや蛍光標識したPLGAおよび抗原がどのようにリンパ節へ移動するのか、更にどの細胞がリンパ節での抗原提示に関与するのかについて、フローサイトメトリーにより確認する予定である。
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