急性呼吸窮迫症候群(ARDS)は、激しい好中球浸潤と肺胞の広範な傷害を呈する病理像が特徴であるが、その詳細な発症メカニズムは明らかになっておらず、また有効な治療法が確立されていない。 本研究では、劇症型ARDSモデルマウスを用いて劇症型急性肺炎の治療ターゲット分子の発見、治療ターゲット分子としての評価、バイオイメージング技術を駆使した急性炎症誘導機構の解明を目的として、今年度は治療ターゲット分子の機能解析を行った。 マウスでの劇症型急性肺炎モデルとして、α-Galactosylceramideによる感作後にLPSを経鼻投与する系を用いた。野生型マウスでは激しい肺の炎症性変化とともに、2~3日で死に至った。このマウスモデルを用いて治療ターゲット分子として見出した細胞表面分子について、発現様式や劇症型急性肺炎の発症における役割の解析を行った。
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