研究課題/領域番号 |
17K09659
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
呼吸器内科学
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
山本 和子 長崎大学, 病院(医学系), 助教 (10398167)
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研究分担者 |
井手口 周平 長崎大学, 病院(医学系), 医員 (50796224)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 肺炎球菌肺炎 / 縦隔リンパ節 / 好中球 / 侵襲性肺炎球菌感染症 / 自然免疫 |
研究成果の概要 |
肺炎を起こす菌で最も頻度の高い肺炎球菌を用いたマウス肺炎モデルの実験系で、肺の所属リンパ節である縦隔リンパ節で起こる免疫機構について解明した。肺炎球菌肺炎の際に、縦隔リンパ節に好中球が集積し、それが菌血症を防止する役割を果たしていることがわかった。そのメカニズムとして、肺リンパ内皮細胞由来のケモカイン(CXCL1, CXCL5, G-CSF)によって縦隔リンパ節に好中球が集まる経路を証明した。さらに縦隔リンパ節に集簇した好中球は、血液内及び肺内好中球と異なり、MHCクラスIIを発現してリンパ節内で獲得免疫を刺激している可能性が示唆された。
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自由記述の分野 |
呼吸器感染症
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
肺炎は日本でも死亡者が増加している重要な疾患である。細菌によって引き起こされる肺炎の中で最も頻度が高い肺炎球菌肺炎に対しては、2014年に高齢者に対してワクチン定期接種が導入されたが、いまだ成人の侵襲性肺炎球菌感染症は減少しておらず、予後不良で後遺症もしばしば残る。本研究では、肺炎の動物モデルを用いて、肺の所属リンパ節である縦隔リンパ節で起こる免疫機構について解明したことで、侵襲性肺炎球菌感染症の防御メカニズムの一つが明らかになった。この成果を踏まえて、肺炎の重症化予防に繋がる新たな補助療法の展開に臨みたい。
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