研究課題/領域番号 |
17K09665
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
西原 冬実 (加藤) 埼玉医科大学, 医学部, 非常勤講師 (60406478)
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研究分担者 |
小林 国彦 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (30205455)
各務 博 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (30418686)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 小細胞肺癌 / 末梢血単核球 / 抗がん剤治療 / 放射線治療 / エフェクターT細胞 / 免疫チェックポイント / 腫瘍免疫 / PFS |
研究実績の概要 |
限局型(LD)15人、進展型(ED)21人の計36人からPBMCを少なくとも治療前後の計2回採取したうち、抗癌剤投与終了から3ヶ月以上観察し得た限局型(LD)12人、進展型(ED)6人の計18人の解析をおこなった。限局型のうち胸部放射線治療を併用したのは6人であった。 抗がん剤治療開始直前の免疫担当細胞の割合はLD群の方がED群より優位にCD4+ エフェクターT細胞が多かったが、CD8+ エフェクターT細胞、制御性T細胞の割合には差がなかった。治療前後でのCD4+ エフェクターT細胞はLD群、ED群ともに治療の前後での変化は明らかではなかったが、胸部放射線治療併用群(RT)と非併用群で比較すると優位にRT群で増加していた。CD8+ エフェクターT細胞、制御性T細胞では治療による変化は明らかではなかった。化学療法治療を受けた小細胞肺癌患者の無増悪生存期間(PFS)は、effector CD4+ T細胞割合と正相関し、化学放射線治療(CRT)後に増加するICOS陽性エフェクターCD4 T細胞比率が治療後のPFSと正相関していた。 小細胞肺癌症例には病期と関連した異なったT細胞免疫状態が存在し、化学療法、化学放射線治療により影響された後のT細胞免疫状態が小細胞肺癌病勢制御に大きく関与していることを示唆している。今後は進展型小細胞肺癌に対して抗PD-L1抗体であるアテゾリズマブの併用が承認されたことをうけ、長期生存者の免疫状態を明らかにすることで、理想的なバイオマーカー及び長期生存者を増やす探索を進めていく予定である。
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