従来、加齢による生理的な腎機能低下と認識されていた高齢者の腎機能低下が、末期腎不全、心血管疾患リスクを増大させ生命予後を悪化させることが分かってきた。しかし老化腎障害を調節する分子は未だ十分解明されていないため、老化腎障害の診断・治療薬は確立されていない。本研究でmiRNA-142-3pは老化腎障害のバイオマーカー、miRNA-503-3pは老化腎障害のバイオマーカーおよび新規遺伝子治療薬となることが明らかになった。本研究結果を発展応用すれば、高齢者の腎機能低下抑制、透析導入回避につながり、高齢者の生活の質改善、国民健康福祉への貢献、医療費削減の点で極めて意義深い。
|