マスイメージングによる腎代謝産物の可視化解析を行った結果、SGLT2阻害薬による尿糖増加に伴う腎糖低下が腎臓全体のエネルギー代謝を変容させ、解糖系中間代謝産物、アセチルCoAおよびTCA回路の低下、ATP低下およびアデノシン上昇をきたし、腎自律神経求心路を介して全身のエネルギー代謝にも影響を与える可能性が示唆された。またキサンチンオキシダーゼ阻害薬は腎血流不足に伴うATP低下をアデニル酸再合成の促進によって緩和し、腎保護効果を発揮する可能性が示唆された。以上の結果をふまえ、慢性腎臓病において、代謝変容の観点からの新規腎保護戦略の提案を目指す。
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