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2017 年度 実施状況報告書

血管拡張障害による食塩感受性高血圧発症メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 17K09724
研究機関国際医療福祉大学

研究代表者

下澤 達雄  国際医療福祉大学, 医学部, 主任教授 (90231365)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードNa-Cl共輸送体 / 一酸化窒素 / 食塩感受性高血圧 / 遠位尿細管
研究実績の概要

正常マウスおよびラットを用いて非昇圧の低用量L-NAME経口投与、8%食塩食負荷を行った。頸動脈留置テレメトリーで継続的に血圧を測定したところ、食塩感受性高血圧が発症することを確認した。また腎臓よりタンパクを抽出し、定量したところ、Na-Cl共輸送体のリン酸化の亢進が関与することを明らかにした。また、サイアザイド、アミロライドの急性投与時のナトリウム排泄量を測定したところサイアザイドで著明なナトリウム利尿が認められた。このことはNa-Cl共輸送体の生理活性の亢進を示唆する。実際上皮Naチャネルの各分画のタンパク質量に変化はなかった。また、Na-Cl共輸送体欠損マウスで同様の検討を行ったが、L-NAME投与による食塩感受性高血圧発症は認められなかった。
血管抵抗の変化を除外するためにmDCT細胞を用いて検討したところL-NAME処理により用量依存性にNa-Cl共輸送体のリン酸化が亢進した。NO doner投与により用量依存性、時間依存性にNa-Cl共輸送体のリン酸化が抑制された。
このことはNO欠損状態は血行動態とは独立して、直接にNa-Cl共輸送体の生理活性を亢進させることにより食塩感受性高血圧症を発症させることを示唆する。また、ヒトの検討で明らかになった食塩負荷時の血圧上昇には血管の不適切な拡張不全が関与するとの報告は血管内皮機能の低下による腎臓内でのナトリウム再吸収上昇が関与するものと考えられた。
今後L-NAMEの作用機序を細胞内情報伝達経路について明らかにする。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

予定通りin vivo, in vitroの結果を得ることができている。次年度はさらに細胞内情報伝達経路を明らかにし論文投稿を行いたい。

今後の研究の推進方策

mDCT細胞を用い、L-NAMEによるNa-Cl共輸送体リン酸化亢進のメカニズムを酸化ストレス、レニンアンジオテンシン系の関与の点から明らかにする。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Low dose L‐NAME causes salt sensitive hypertension via activation of NCC.2017

    • 著者名/発表者名
      Conghui Wang, Sayoko Ogura, Fumiko Mori, Suang Koid, Alimila Yeerbolati, Latapati Reheman, Beibei Liu, Tatsuo Shimosawa.
    • 学会等名
      Joint Hypertension 2017 Scientific Session/AHA Council on Hypertension/AHA Council on Kidney in Cardiovascular Disease/American Society of Hypertension,
    • 国際学会
  • [学会発表] Low Dose N-nitro-L-arginide Methyl Ester (L‐NAME) Causes Salt Sensitive Hypertension via Activation of Na+-Cl-Cotrasporter (NCC).2017

    • 著者名/発表者名
      Conghui Wang, Latapati Reheman, Sayoko Ogura, Suang Suang Koid, Fumiko Mori, Tatsuo Shimosawa.
    • 学会等名
      第40回日本高血圧学会総会
  • [学会発表] Low dose L‐NAME causes salt sensitive hypertension via activation of NCC.2017

    • 著者名/発表者名
      Conghui Wang, Sayoko Ogura, Fumiko Mori, Suang Koid, Alimila Yeerbolati, Latapati Reheman, Beibei Liu, Tatsuo Shimosawa.
    • 学会等名
      第34回国際心臓研究学会日本部会,

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公開日: 2018-12-17  

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