研究課題/領域番号 |
17K09739
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
山田 宗治 東京医科大学, 医学部, 講師 (10625164)
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研究分担者 |
平井 洋平 関西学院大学, 理工学部, 教授 (00397572)
尾田 高志 東京医科大学, 医学部, 教授 (90531187)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | エピモルフィン / 腹膜線維症 / 腹膜透析 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、胎生期における上皮形態形成因子として同定されたエピモルフィンが、腹膜線維化の修復作用および腹膜機能に対する保護作用があるかについて解析を行うこととしている。今年度は2週間のchlorhexidine gluconate(CG)腹腔内投与による腹膜線維化モデル(CG投与マウス)を作製。2週間のCG投与マウスにおいてもMasson’s trichrome染色で腹膜中皮下の線維性肥厚を認め、その病変・程度に一致してエピモルフィンの発現亢進を認めた。次にCG投与後の修復期を観察する修復モデルマウスを作製。2週間のCG投与マウスを作製後3日、7日、28日、42日と経時的にマウスを屠殺し経時的な組織変化および発現変化の解析を行った。Masson’s trichrome染色では経時的な改善傾向を示したが、42日目においても組織学的に腹膜中皮下線維性肥厚は軽度残存していた。エピモルフィン発現はCG投与終了後7日目にピークを認め、以降経時的な発現低下を認めた。線維化関連マーカーであるα-SMA、TGF-β、collagenⅠおよびMMP-2 mRNAの解析では、CG投与終了後3日目から経時的な発現低下傾向を示したのに対し、MMP-9 mRNAは投与終了後28日目に発現のピークを認めた。修復機序の一つとしてepimorphin発現の持続がMMP-9発現を持続させ、腹膜における細胞外基質の分解に関与している可能性が考えられた。さらに、CG投与マウスにおいてリコンビナントエピモルフィン、抗エピモルフィン抗体を投与する介入実験を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
リコンビナントエピモルフィン、抗エピモルフィン抗体投与による腹膜線維化モデルへの介入実験の解析がまだ未完了の状態であるが、実験は終了し解析を進めている状態であるため、研究はおおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画の内容自体の変更はほとんどないが、前年度の実験が完結するまで引き続き前年度の研究計画に沿って実験を継続していく。前年度に腹膜線維化モデルマウスへの介入実験が終了しており、今年度は実施した介入実験の解析を進めていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度においても実験に必要な試薬や消耗品等を購入する計画である。
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