脳梗塞急性期の治療法は、血管再開通療法と神経保護療法に大別される。前者は超急性期(脳梗塞後~8時間以内)に血栓溶解療法や脳血管内治療が施行されるが、適応患者は限定されるため、急性期あるいはそれ以降の脳梗塞の病態解明や、神経保護薬などの治療法の開発は急務である。当該研究は、マウス脳梗塞モデルを用い、脳梗塞の急性期に誘導される神経分泌ペプチドの神経保護効果の検証と、急性期から慢性期に渡る長期的な脳梗塞の病態解析を施行した。ペプチドの神経保護効果は認めなかったが、脳梗塞後の炎症所見の長期的な持続(4週間)を認め、脳梗塞後の炎症制御が治療ターゲットとして重要である可能性が示唆された。
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