筋萎縮性側索硬化症(ALS)は代表的な成人発症の運動ニューロン疾患で、脊髄および脳・脳幹の運動ニューロン変性により発症から数年で全身の筋萎縮・筋力低下が進行し、呼吸筋麻痺をきたす致死性の神経変性疾患である。本研究では成体脊髄におけるアストロサイト分化・増殖・新生を促進する分泌性糖蛋白、骨形成蛋白質(BMP)4が治療標的となり得ることを明らかにした。活性化アストロサイトで進行性に発現亢進するBMP-4に拮抗することで、神経炎症全体を抑制し、運動機能低下を抑え、生存期間延長をもたらすことをALSモデル動物で示した。活性化アストロサイトを標的とした新規治療戦略を開発すべく、応用研究を開始した。
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