研究課題
KIF5A遺伝子内の日本人におけるvariantの頻度を次世代シークエンサーを用いて検討した。807例の孤発性ALS患者において、loss of function variantを1例(0.12%)に認めた。52例のALS患者において、髄液中のAsymmetric dimethyl L-arginine (ADMA)、L-arginineの測定を行った。ALSの病態には複数のRNA結合タンパクが関わっていると考えられているが、アルギニンのメチル化はそれらの共通する翻訳語修飾(posttranslational modification)の一つである。ADMA/L-arginine比と測定時点以降の生存期間(死亡または永続的人工換気導入まで)との関連を調べると、有意にADMA/L-arginine比が大きいほど予後不良であることが示された。孤発性ALS患者1241例において、SNPアレイデータを用いた解析により、強く孤発性ALS患者の生存期間(予後)と関連するSNPsを2領域に見出した。これらSNPsと関連する遺伝子発現の解析を患者由来不死化細胞を用いて行った。気管切開を用いた人工換気(tracheostomy invasive ventilation: TIV)療法がALS患者の生存期間に与える影響への検証を行った。TIV導入群190名、TIV非導入群1093名を対象として、年齢、性別、発症病型、家族歴の有無、経管栄養の有無、リルゾールの有無、NIVの有無・改訂El Escorial診断基準適合度をパラメーターとして傾向スコアマッチングを行い、導入群184名、非導入群184名を抽出し、比較検討した。TIV療法は約7年間ALS患者の生存期間を延長していることが示され、特に若年発症では長期の生存を得られる可能性が高いことが示された。
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