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2017 年度 実施状況報告書

パーキンソン病における脳内-血液免疫系細胞間のクロストーク開始起点と病態への関与

研究課題

研究課題/領域番号 17K09783
研究機関札幌医科大学

研究代表者

鈴木 秀一郎  札幌医科大学, 医学部, 助教 (90532929)

研究分担者 下濱 俊  札幌医科大学, 医学部, 教授 (60235687)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードパーキンソン病 / 免疫細胞 / ミクログリア / 神経細胞死 / 骨髄キメララット
研究実績の概要

本研究ではGFP骨髄キメラパーキンソン病(PD)モデルラットを用い、ドパミン神経障害から神経細胞死に至る過程の中で血管内免疫細胞と脳ミクログリア(MG)が何を起点に関わり始め、病態を形成していくのかを明らかにすることを目的とする。
マクロファージはMGと遺伝子発現プロファイルが重複するが、GFP骨髄キメラモデル動物を作製することで識別が可能となる。ラットにX線照射して骨髄破壊し、GFPトランスジェニックラットの骨髄細胞を移植することでGFP骨髄キメララットを作製するが、初年度は検証するために最適な6-hydroxydopamine(6-OHDA)線条体導入骨髄キメララット(GFP骨髄キメラPDラット)の作製方法を確立した。
具体的にはX線照射時に頭部防護の有無、脾細胞の併用移植の有無、移植後プレドニゾロンの投与の有無で条件割付を行い、高キメラ率の作製方法を探索した。更に線条体に6-OHDAを投与した上でX線全身照射と脳防護照射で脳組織内のミクログリアに違いがないか免疫組織学的に評価した。X線全身照射後では骨髄単独移植でも高いキメラ率の骨髄キメララットが得られたが、脳内Iba1陽性細胞がほぼ全てGFP陽性であった。頭部防護X線照射では脾細胞の併用移植が必要であったが、Iba1陽性かつGFP陽性細胞は6-OHDA投与周囲と穿刺部位に限局していた。検討により、骨髄キメララット作製の際に頭部防護X線照射、脾細胞併用骨髄移植が仮説の検証に適した条件であると判断した。この条件で作製したGFP骨髄キメラPDラットの中脳黒質においてGFP陽性細胞の脳内浸潤を確認した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

予定期間内で各種条件割り振りを行い今後の検討に適した高キメラ率のGFP骨髄キメラPDラット作製方法が確立できた。更に同モデルラットの中脳黒質には血管内免疫担当細胞であるGFP陽性細胞の脳内浸潤が確認された。

今後の研究の推進方策

上記に検討において、GFP骨髄キメラPDラットの作製方法を確立した。今後TH(Tyrosine hydroxylase)、Iba-1( ionized calcium-binding adapter molecule 1 )、GFAP(Glial Fibrillary Acidic Protein)等の抗体を用いたドパミン神経、ミクログリア(あるいはマクロファージ)、アストロサイトの発現解析を行い、6-OHDA投与後の中脳黒質における時系列データとともに、各種CD抗体を用いてGFP陽性細胞のプロファイルを確認していく予定である。

次年度使用額が生じた理由

想定していたよりも少ないラット数で目的とするモデルラットの作製を確立できたため。次年度はGFP陽性細胞プロファイルの確認に使用する各種抗体を中心に、より多くの研究費を充てる予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] THE OPTIMAL PRECONDITIONING FOR BONE MARROW TRANSPLANTATION TO ESTABLISH 6-OHDA-LESIONED GFP BONE MARROW CHIMERIC PD MODEL RAT.2017

    • 著者名/発表者名
      S Suzuki, H Suzuki, K Yokokawa,T Saito, M Fujikura, T Manabe, N Iwahara, A Matsumura, T Matsushita, S Hisahara, J Kawamata, S Shimohama
    • 学会等名
      World Congress of Neurology 2017
    • 国際学会

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公開日: 2018-12-17  

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