研究課題
本研究課題である免疫介在性壊死性ミオパチー (immune-mediated necrotizing myopathy, IMNM) の患者検体(血清,genomic DNA,生検筋)を用いた臨床研究を,筋炎の統合的診断研究のコホートを用いて行った.臨床像,human leukocyte antigen (HLA),自己抗体,筋病理,病態機序解明など多面的な検討を行い,最終的な症例登録は834例となった.IMNMに関連する代表的な自己抗体はシグナル認識粒子 (signal recognition particle, SRP)と3-hydroxy-3-methylglutary-coenzyme A reductase (HMGCR)に対する自己抗体だけでなく他の自己抗体の意義につき多面的に解析を行うことができた.アミノアシルtRNA合成酵素 (aminoacyl transfer RNA synthetase, ARS) に対する自己抗体(抗ARS抗体)は筋炎で検出される代表的な自己抗体である.陽性となる症例は特徴的な臨床像から「抗合成酵素症候群」(antisynthetase syndrome) と呼ばれている.筋病理では筋束周囲の筋線維に認められる壊死が特徴的であり,抗合成酵素症候群の1つの病型であることを報告した.皮膚筋炎の筋病理は筋束周囲性萎縮 (perifascicular atrophy) が特徴的な所見とされているが,必ずしも高頻度に観察される所見ではない.むしろI型インターフェロン誘導性蛋白である,ミクソウイルス耐性蛋白質A (MxA) の発現が皮膚筋炎の筋病理に特徴的であり,高感度で診断できることを明らかにした.
ホームページの中で研究内容と成果を随時公開している.
すべて 2019 その他
すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 2件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 3件) 備考 (1件) 産業財産権 (1件)
Neuropathol Appl Neurobiol
巻: 45 ページ: 523-524
10.1111/nan.12551
Neuromuscul Disord
巻: 29 ページ: 543-548
10.1016/j.nmd.2019.05.007.
Autoimmune Rev
巻: 19 ページ: -
10.1016/j.autrev.2020.102465.
https://www.neurology.med.keio.ac.jp/staff/6-2/