研究課題
大脳皮質基底核症候群や進行性核上性麻痺の病理学的特徴はタウ蛋白の異常蓄積とモノアミン酸化酵素Bの増加を伴ったグリオーシスである。本研究では [18F]THK5351 PETによる生体脳内のタウ蛋白凝集体蓄積とモノアミン酸化酵素Bの測定が大脳皮質基底核症候群以外のタウオパチー(進行性核上性麻痺、前頭側頭葉変性症、筋強直性ジストロフィー)でも可視化・画像化が可能であるかを検討することを目的としている。本研究は平成29年度から31年度までの3年計画を予定しており、平成29年度は対象患者のピックアップを中心に、Montreal cognitive assessment (MoCA)やAddenbrooke’s cognitive examination revised (ACE-R)などの神経心理検査、MDS-UPDRSなどの運動機能検査、脳MRI検査、[18F]THK5351 PET、及び[11C]PIB PET検査を施行し、PETデータを収集することであった。今までに多くの対象患者から検査同意を取得することができた。今回、7名の大脳皮質基底核症候群患者、11名の進行性核上性麻痺患者において、神経心理検査、運動機能検査、脳MRI検査及び[18F]THK5351 PET検査を行うことができた。また、1名の大脳皮質基底核症候群患者、5名の進行性核上性麻痺患者に、 [11C]PIB PET検査を行った。今後、症例数を増やすとともに、画像解析を行っていく予定である。
2: おおむね順調に進展している
研究対象である大脳皮質基底核症候群や進行性核上性麻痺患者のピックアップならびに同意取得、神経心理検査、運動機能検査、脳MRI検査、[18F]THK5351 PET検査まで順調に遂行できている。
さらに大脳皮質基底核症候群や進行性核上性麻痺、前頭側頭葉変性症、筋強直性ジストロフィー、パーキンソン病の症例数を増やしPETデータなどのデータ収集を行うとともに画像解析を行っていく予定である。大脳皮質基底核症候群や進行性核上性麻痺患者については、年1回の割合で[18F]THK5351 PET検査を複数回施行し、経時的変化について検討していく予定である。
検査費用の端数として残額が生じてしまった。次年度の脳MRI検査ならびに[18F]THK5351 PET検査、[11C]PIB PET検査の費用などに、未使用額を充てることとしたい。
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