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2017 年度 実施状況報告書

パクリタキセル誘発性末梢神経障害の病態解明と早期治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 17K09792
研究機関千葉大学

研究代表者

関口 縁  千葉大学, 大学院医学研究院, 助教 (10568653)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード化学療法誘発性ニューロパチー / 神経障害性疼痛 / パクリタキセル / 軸索興奮性
研究実績の概要

微小管阻害薬のタキサン系抗がん剤は、固形癌治療において高い有効性を持つ一方、副作用である末梢神経障害が高率に生じる。特に感覚神経障害が強く出現し、長期生存者のQOLを障害している。本研究はタキサン系抗がん剤のパクリタキセルによる末梢神経障害の作用機序を軸索機能検査を用いて解明すること、および発症前・早期評価の可能性を探索を目的として計画された。
当初パクリタキセル投与予定の乳がん患者に対して、治療前後で縦断的に各種評価を行った。症例数は当初の予定よりも少ないが、臨床症状が改善する群がいる一方で慢性化する症例も多い事、神経伝導検査と臨床の重症度との関連はあるものの早期予測因子としては有意差を認めない事、糖尿病など他の末梢神経障害がリスク因子になる可能性などの知見を得た。今後さらなる症例蓄積を行い、末梢神経障害の発症リスクおよび早期予測因子の探索を行っていく予定である。
さらに、治療前評価可能な症例のリクルートが遅延した事や検査器具の供給中止などを受け、横断的に評価をすることも計画した。化学療法誘発性末梢神経障害患者を対象に評価を行い、しびれを強く認める有痛性患者群(n=5)では、コントロール群と比較し、オキサリプラチンなど他剤での既報と同様の過分極傾向を認めた。今後症例数の蓄積を図り、末梢神経障害の重症度や臨床症状、患者背景との相関について検討を進める予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本研究は当初乳癌患者を対象に、治療開始前後での評価を行う予定であった。しかし腓腹神経の軸索機能検査に使用する針電極の供給中止により、今までの健常群のデータが使用できなくなるという問題が生じた。このため評価項目の再検討を行っており、遅延が生じている。パクリタキセルによる末梢神経障害では上肢にも高率に症状を生じることから、軸索機能検査を正中神経で行う事を検討するなどして対応し、症例の蓄積を図る。

今後の研究の推進方策

化学療法誘発性多発神経炎の患者に広く呼びかけ、有痛症状の有無と末梢神経の軸索興奮性の関係について、症例数の蓄積を進める。またブレストセンターのスタッフと相談し、化学療法前の評価を行える症例数の蓄積に努める。

次年度使用額が生じた理由

化学療法治療室での検査実施に伴い、軸索機能検査の機器を購入予定としていた。しかし検査機器の変更などに伴い、主に従来通り生理検査室での検査を行ったため機器購入を見合わせた。今後計画通り化学療法治療室での検査体制の構築に努め、機器を購入する予定である。

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公開日: 2018-12-17  

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