研究課題/領域番号 |
17K09794
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
鈴木 一詩 東京大学, 医学部附属病院, 特任助教 (30529053)
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研究分担者 |
岩田 淳 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (40401038)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | アルツハイマー病 / 軽度認知障害 / アミロイドβ / APOE / タウ / リン酸化タウ / プレクリニカルAD / J-ADNI |
研究成果の概要 |
日本人高齢者の軽度認知障害(MCI)におけるアミロイド蓄積の陽性率、及び発症後の進行速度は米国とほぼ同程度であることを報告した。また認知機能正常の日本人高齢者でアミロイド蓄積を認めるのはおよそ四人に一人(22.4%)であった。MCI及び早期アルツハイマー病(AD)期における悪化予測因子として、女性、G2期以上の慢性腎臓病、血清カルシウム低値、脳脊髄液中総タウ及びリン酸化タウの高値、認知機能検査での記憶課題の低成績、MRIによる脳容積測定での側頭葉領域の萎縮、等を報告した。さらにADの発症リスク遺伝子のAPOE遺伝子ε4アレルの保持は、早期AD発症後2年間の悪化速度に影響しないことを示した。
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自由記述の分野 |
神経内科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果からプレクリニカルAD期からMCI、軽度AD期までの日本人における自然歴が初めて数値として明確に示され、臨床研究や治験結果の定量的な検証や日米間の比較検討が可能となった。また報告した予後悪化因子の中でも、特に慢性腎臓病、血清カルシウム低値等は内科的な治療介入が奏効する可能性をも示唆するものでもあり、追随研究による検証が俟たれる。さらに近年のAD治療薬治験では、治療/対照群間のε4アレル頻度の差が治療効果に与えた影響がしばしば議論となるが、本研究の報告はその影響は無視できるほど小さいことを直接的に示したものであり、社会的意義が大きい。
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