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2021 年度 実施状況報告書

痛覚の脊髄運動調節機構への効果とその中枢性運動障害の機能回復過程への影響

研究課題

研究課題/領域番号 17K09796
研究機関信州大学

研究代表者

森田 洋  信州大学, 学術研究院医学系, 教授 (10262718)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2023-03-31
キーワード小径繊維 / 無髄線維 / 痛覚 / 脊髄反射
研究実績の概要

痛覚を伝導する末梢神経であるAδ線維及びC線維を選択的に刺激することで、痛覚刺激の脊髄反射経路への影響を観察した。正常者およびパーキンソン病患者を対象に、痛覚刺激の脊髄単シナプス回路への入力効果と、他の前角細胞への抑制性入力刺激に対する痛覚刺激効果を観察した。
脊髄単シナプス反射として記録した前角細胞群の活動性は脛骨神経刺激により誘発したヒラメ筋H反射の大きさとして定量した。最初にヒラメ筋H反射に足背への痛覚刺激を先行して加え、その条件刺激効果のTime courseを計測した。結果、足背へのAδ、C線維刺激はヒラメ筋H反射を促通する効果がみられ、その潜時はAδ線維では200-300ms程度、C線維では1000ms前後であった。また、その閾値は痛覚閾値程度であった。また、刺激に対する順応(痛覚を感じなくなる)が刺激を繰返す中で短時間で出現するとTime courseは変化した。
抑制性入力と痛覚刺激が輻輳するかについては、2シナプス性相反性Ia抑制とシナプス前抑制について検討した。相反性抑制は、脛骨神経刺激に1-3ms先行して拮抗筋由来Ia線維を含む総腓骨神経を刺激することで導出した。また、ヒラメ筋筋紡錘由来Ia入力終末へのシナプス前抑制は、脛骨神経刺激によるD1抑制と大腿屈筋腱叩打に誘発される抑制として導出した。これらの抑制性入力と足背痛覚刺激を同時に加えた際のH反射の変化量と、痛覚刺激および抑制性刺激をそれぞれ別個に加えた際の効果量の和を比較した。結果、足背への痛覚刺激によるヒラメ筋H反射への効果は、相反性抑制入力や腱叩打により抑制される可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

令和2年度以降は新型コロナウイルス感染症対策にエフォートの大半をとらねばならなかった事に加えて、教員が令和2年10月から1名欠員となったため、産業医業務が増加した。
また、実験室の環境が被検者と検者が濃厚接触もしくは接触者とならざるを得ず、患者での研究の実施が困難な状態が1年以上にわたり継続している。

今後の研究の推進方策

感染状況が落ちつき、患者での研究が実施可能となった時点で研究を再開する。同時に全体の解析を行う。

次年度使用額が生じた理由

本年度は感染状況が切迫しており、患者での研究が実施できなかった。本年予定していた研究は来年度実施する。

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公開日: 2022-12-28  

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