研究課題/領域番号 |
17K09798
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
人見 健文 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), その他 (50402904)
|
研究分担者 |
松本 理器 京都大学, 医学研究科, 准教授 (00378754)
小林 勝哉 京都大学, 医学研究科, 特定病院助教 (70737121)
池田 昭夫 京都大学, 医学研究科, 特定教授 (90212761)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | 皮質振戦 / 不随意運動 / てんかん / BAFME |
研究実績の概要 |
本研究の初年度として、本研究において、「振戦脳」とみなしている良性成人型家族性ミオクローヌスてんかん(benign adult familial myoclonus epilepsy: BAFME)患者において、今後の研究の基盤となるべき患者の診断の確定を行った。また診断時の所見および、様々な臨床情報(症状およびそれらのgrading、体性感覚誘発電位など種々の検査所見など)に関するデータベースの構築を行った。また実際に、脳波・筋電図の同時記録なども行った。これらの解析の結果、preliminaryではあるが、以下の治験がえられた。脳波や終夜睡眠ポリグラフィーなどの解析により、BAFMEにおいては通常の特発性全般てんかんとは異なり、睡眠時にはてんかん性放電が減少する、すなわちてんかん性の皮質過敏性が睡眠時に減弱することを明らかにした。これらの治験は進行性ミオクローヌスてんかんでえられる知見と共通しており、BAFMEの臨床病態の一部に進行性の部分がある可能性が示唆された。また、体性感覚誘発電位の解析により、BAFMEにおいては抗てんかん薬の治療により、体性感覚誘発電位の振幅が減少し、それが皮質振戦などの不随意運動症状の改善と関連することを明らかにした。これは、抗てんかん薬治療により、末梢神経の電気刺激による一次運動感覚野の過剰興奮が改善し、かつそれが臨床症状の改善にも結び付いていることを示唆した。また、皮質筋コヒーレンス解析などの2次解析も徐々にできつつある。モーションキャプチャーに関しては、備品を購入し、計測地点を増加させた。また、システムの使用、練習を繰り返すことにより、計測にも習熟した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究初年度として目標としていた、データ取得・解析も行えているため。また、一部には学会発表できるような新たな知見も得られて来ているため。
|
今後の研究の推進方策 |
今後も振戦脳(BAFME)における各種の計測、解析を行い、皮質振戦のメカニズムを明らかにしていく予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
物品費、人件費・謝金などが当初予定ほどかからなかったため、次年度使用額が生じた。
|