研究課題/領域番号 |
17K09802
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
高瀬 敬一郎 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (00467903)
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研究分担者 |
上原 平 九州大学, 医学研究院, 助教 (30631585)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 側頭葉てんかん / 記憶障害 / 記憶固定化 |
研究実績の概要 |
近年、側頭葉てんかん(TLE)患者において、一旦覚えた物事を週・月の単位で病的に早く忘却する現象であるacclerated long-term forgetting (ALF)が生活の質を低下させる一因になっていることが認知されるようになった。ALFは記憶の固定化障害と考えられているが、てんかん性放電、海馬神経細胞脱落、抗てんかん薬など様々な要因が関与している可能性があり、その病態は明らかになっていない。本研究では、多数例のてんかん患者を集積し、ALFと関連する要因を解明することを目的の一つにしている。初年度は、先行研究を参考にして、ALFを定量的に評価する試験を独自に開発し、健常者群に対して検証を行った。今年度は、この試験を多数例のてんかん患者と健常コントロールに対して施行し、併せて、高解像度MRI、睡眠時脳波などのデータも収集した。TLE患者群をALF試験の結果をもとにdata drivenにクラスタリングすると、健常コントロールと同程度の成績を示す群、短期記憶は正常だがALFを呈する群、短期記憶も障害されている群の3群に分類された。今後は、記憶障害を認めない群とALFを呈する群に差を認める因子、ALFの程度と相関する因子を解析していく予定である。また、集積した患者群の中で外科手術を行った群において、海馬病理所見との関連も検証する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
臨床試験の患者登録が順調に進行しており、解析を開始している。
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今後の研究の推進方策 |
TLE群の中で、記憶障害を認めない群とALFを呈する群に差を認める因子、ALFの程度と相関する因子を解析していく予定である。また、集積した患者群の中で外科手術を行った群において、海馬病理所見との関連も検証する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
計上していた旅費に余剰が生じたため次年度使用額が生じた。次年度は成果発表が増えるため、そこで償却する予定である。
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