先行研究では、不均一反復磁気刺激法(QPS)による1次運動野刺激が、てんかん患者と健常者とでは異なることを明らかにした。この結果をふまえ、本研究では2つの実験を行った。(1)円形コイルを用いたQPSで脳を広く刺激し、患者と健常者の反応を比較した。患者群でのみ、運動閾値が低下しており、異常な皮質興奮性が示唆された。 (2)抗てんかん薬のひとつであるペランパネルの薬効機序を調べた。皮質内促通は抑制されたが、短潜時皮質内抑制には影響を与えず、QPSによる可塑性も抑制された。ペランパネルのグルタミン酸を介した発作抑制効果の根拠と考えられる。この結果は、日本臨床神経生理学会で発表し、優秀演題賞を受賞した。 最終年度には(1)の結果について論文を作成し、現在、国際誌に投稿中である。また、(2)の結果については、現在、論文作成中である。
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