研究課題/領域番号 |
17K09810
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
河野 浩之 杏林大学, 医学部, 学内講師 (30602578)
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研究分担者 |
平野 照之 杏林大学, 医学部, 教授 (50346996)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 脳梗塞 / 虚血ペナンブラ / 時間 / CT灌流画像 |
研究実績の概要 |
H30年度の研究は、以下の内容を行った。 1.共通データベースの登録と管理:急性期脳梗塞症例の必要な画像・診療情報の調査項目の設定および予後調査の手順を確立した。H29年度に引き続き情報の登録を進めている。 2.予定登録症例数の設定と国際共同研究への参加:院内の診療プロトコル改訂のために関係部署との話し合いを継続しておこなった結果、研究実施体制が整い、CT灌流画像の解析ソフトウェアを搭載した専用のワークステーションの設置も完了した。国際共同研究についても学内の倫理委員会で審査・承認され、H30年度から症例登録を開始した。国際共同研究については研究協力者であるC. Levi教授(豪州)、M. Parsons教授と面会とインターネットを介した会議により情報交換および研究の遂行について話し合った。 3.CT灌流画像導入と時間の関連についての調査:MRI基準の診療プロトコルからCT灌流画像による診療プロトコルへ変更したことにより、診療に要する時間が大幅に短縮したことを2019年3月に開催されたSTROKE2019で発表した。診療に要する時間は急性期脳梗塞診療において極めて重要な予後規定因子であり、その時間短縮の実現は良好な転帰が増加することに繋がると思われる。また、今回の診療プロトコル変更が安全に行われたということでもある。症例登録が遅れたため、現時点で症例数が解析可能な十分な数に達していない。引き続き虚血ペナンブラと時間の関連を明らかにするために急性期脳梗塞症例の登録を継続中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
従来のMRI中心の診療プロトコルからCT灌流画像中心の診療プロトコルへ変更するために時間を要したため、症例登録開始が遅れたが、現在は順調に登録が進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
症例登録を継続し、解析症例数の目標を200 例とし、以下の解析をおこなう。 I. 虚血ペナンブラと時間経過の関連:共通データベースをもちいて、脳梗塞発症からの時間経過と虚血ペナンブラの推移について、単回帰分析をおこなう。 II. 虚血ペナンブラと側副血行の発達の関連:4DCTA による側副血行の発達を計測し、造影剤ピーク濃度、造影剤ピーク遅延時間、時間-造影剤濃度曲線下面積を求め、虚血ペナンブラの体積との関連について、単回帰分析および重回帰分析をおこなう。 III. 国際共同研究グループへの参加:将来的に私たちの研究グループで得られた結果の妥当性を調べるために、豪州、カナダ、中国との国際共同研究 International Stroke Perfusion Registry(INSPIRE)の症例登録を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の計画よりも症例登録が遅れたため当該年度内に使用しなかった助成金があるが、次年度は症例登録が順調に進む見込みであることから、症例の登録・管理・解析に助成金が必要である。
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