研究課題/領域番号 |
17K09814
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研究機関 | 滋賀県立成人病センター(研究所) |
研究代表者 |
山内 浩 滋賀県立成人病センター(研究所), 画像研究部門, 副所長 (40360812)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 分子イメージング / ポジトロンCT / アミロイド / 脳血管障害 |
研究実績の概要 |
脳内アミロイド蓄積は、アルツハイマー病で認知機能障害を引き起こす鍵となる病理変化である。アルツハイマー病モデル動物では、脳血管病変による慢性脳虚血がアミロイド蓄積を増加させる。本研究の目的は、脳主幹動脈閉塞症患者を対象とし、PETにより脳循環代謝とアミロイド蓄積の両者を評価し、慢性脳虚血とアミロイド蓄積の関連性を検討し、慢性脳虚血がアミロイド蓄積に寄与するかどうかを明らかにすることである。 本研究で使用するアミロイドイメージング剤の[18F]FPYBF-2は、京都大学薬学研究科(小野正博博士)で開発されたオリジナル薬剤である。研究開始にあたり、新規アミロイド製剤のヒトでの特性をより正確に把握し、アミロイド製剤としての妥当性をより強固にする必要が生じたため、1)健常者における[18F]FPYBF-2投与後の全身分布の検討、および、2)健常者と認知症患者における、世界的にアミロイド蓄積の指標として十分に検討され認められている基準製剤(PiB)とのより多数例での集積比較検討を行った。その結果、1)現在使用している投与量の妥当性安全性、および2)[18F]FPYBF-2の脳集積値は基準製剤(PiB)の同一部位の集積値とよい直線関係があること、を証明できた。 この結果は、脳主幹動脈閉塞症患者を対象とした本研究においても、アミロイド蓄積の指標として、[18F]FPYBF-2を用いることの妥当性を示している。この結果に基づいて、年度後半より、脳主幹動脈閉塞症患者を対象とし、PETにより脳循環代謝とアミロイド蓄積の両者を評価する検討を開始している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新規アミロイド製剤のヒトでの特性をより正確に把握し、アミロイド製剤としての妥当性を強固にする目的で、1)健常者における全身分布の検討、および、2)健常者と認知症患者における十分に検討済みの基準製剤(PiB)との集積比較検討を行った。その結果、脳血管障害患者を対象とした検討の開始が遅れたため。
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今後の研究の推進方策 |
新規アミロイド製剤のヒトでのアミロイド製剤としての妥当性は検証できたので、脳血管障害患者を対象とした検討を推進していく方針である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新規アミロイド製剤のヒトでの特性をより正確に把握し、アミロイド製剤としての妥当性を強固にする目的で、1)健常者における全身分布の検討、および、2)健常者と認知症患者における十分に検討済みの基準製剤(PiB)との集積比較検討を行った。 その結果、脳血管障害患者を対象とした検討の開始が遅れ、解析すべきデータが少数しか集まらなかった。そのため、解析用パソコンおよびソフトウエアの購入を次年度以降に先延ばしにした。今後は、当初の研究計画どおりに遂行、使用予定である。
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