アルツハイマー病と脳血管障害は共通の危険因子を有しており、修正可能な脳血管障害危険因子の治療は、アルツハイマー病発症予防や進行遅延のために重要である。慢性脳虚血と関連したアミロイド蓄積増加の存在を明らかしたことで、動物実験で推察されてきた、慢性脳虚血がアルツハイマー病の発症あるいは進行に影響するという仮説をヒトで検証できた。慢性脳虚血は、外科的あるいは内科的に治療できることから、アミロイド蓄積による神経細胞死、および認知機能障害の治療法を探索する上で重要である。本研究は、アルツハイマー病の発症あるいは進行に対する、慢性脳虚血をふくめた脳血管危険因子管理の重要性に関して臨床医の認識を高める。
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