研究課題
研究課題「肝臓―膵β細胞間神経ネットワークによる膵β細胞増殖制御分子機構の解明」はこの神経ネットワークにおいて膵臓に分布する迷走神経からどのような因子が作用し、膵β細胞においてどのような細胞内経路を介して増殖を亢進するのかを明らかとし、生体状況に応じた膵β細胞量調節の分子機構を解明することを目的としたものである。最終年度は肥満状態での膵β細胞増殖におけるFoxM1の意義の解明を行うために、①遺伝性あるいは食餌誘導性肥満モデルマウスにおいて膵β細胞内FoxM1経路がどのように変化しているのかの解析 ②肥満モデルマウスにおいて、アデノウイルスによる遺伝子導入によって肝臓ERK経路を抑制した場合、あるいは膵迷走神経を切断して神経ネットワークを阻害した場合に膵β細胞内FoxM1経路がどのように変化するのかの検討 ③膵β細胞特異的FoxM1ノックアウトマウスに高脂肪食を長期的に負荷した際に膵β細胞増殖が抑制されるかの検討を行うことを目標とした。①については肥満モデルマウスにおいて膵β細胞FoxM1経路が活性化していること、②については肥満モデルマウスにおいて神経ネットワークを阻害した場合に膵β細胞内FoxM1経路の活性化が阻害され、膵β細胞増殖が抑制されること、③については高脂肪食を負荷した際の膵β細胞増殖は膵β細胞特異的FoxM1ノックアウトマウスにおいて抑制されることを研究課題最終年度より前に明らかにすることができた。これらの結果を”Neuronal signals regulate obesity induced β-cell proliferation by FoxM1 dependent mechanism” として論文にまとめ、責任著者として発表した(Nature Communications 8:1930 2017)。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件) 備考 (1件)
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