研究課題/領域番号 |
17K09817
|
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
小林 一貴 千葉大学, 大学院医学研究院, 特任講師 (30400998)
|
研究分担者 |
竹本 稔 千葉大学, 大学院医学研究院, 特任教授 (60447307)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | 骨格筋 / サルコペニア / 筋衛生細胞 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は我々が同定した筋芽細胞分泌たんぱくであるR3hdmlの骨格筋における糖取り込みにおける役割ならびにマイオカインとしての機能を明らかにすること目的としている。そのために以下の研究を予定した。 1. 骨格筋の糖取り込みにおけるR3hdmlの役割を明らかにする。 加齢R3hdml KOにおける骨格筋糖取り込み抑制機序を検討する。この検討により、一般的なサルコペニアに伴う骨格筋糖取り込み低下機序が明らかとなる。 2.マイオカインとしてのR3hdmlの役割を明らかにする。 脂肪細胞、肝臓ならびに中枢(脳)に対する作用を明らかにし、R3hdmlを用いた糖尿病、脂肪肝うつ病など全身疾患に対する新たな治療戦略開発の基盤とすることを目的としている。 本年度は計画通りにR3hdmlをアデノウイルスベクターを用いて肝臓に過剰発現させた後、ストレプトゾトシン(STZ)を投与し糖尿病を惹起した際の糖代謝や生存曲線に与える影響を検討した。その結果、R3hdml過剰の有無により空腹時血糖値に差はなかったものの、R3hdml過剰マウスで有意な生存曲線の延長が観察された。以上より肝臓で過剰発現され分泌されたR3hdmlが全身の組織、細胞に影響を与える可能性が示唆された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は計画通りに研究計画が進んだだめ、今後も研究計画に従って研究を進めてゆく。
|
今後の研究の推進方策 |
計画書に則り、平成30年度以降も下記の実験を継続する。 ① R3hdmlの肝、骨格筋における糖取り込み機構における役割を明らかにする。 ②R3hdmlのマイオカインとしての役割を明らかにする。この目的で、R3hdml ノックアウト(KO)マウスに加齢、筋障害、肥満を惹起した際の表現型を野生型と比較する。 ③ R3hdmlを肝、骨格筋において過剰発現したさいに糖代謝、脂肪肝ならびに情動性をはじめとした全身への影響を検討する。
|