研究課題/領域番号 |
17K09826
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
代謝学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
藤田 義人 京都大学, 医学研究科, 助教 (50547809)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 褐色脂肪組織 / 一酸化窒素 / 先制医療 / 肥満症 / 糖尿病 |
研究成果の概要 |
テトラヒドロビオプテリン(BH4)は、褐色脂肪組織(BAT)の分化制御因子として知られる一酸化窒素やノルアドレナリンの合成に必須の共因子である。本研究ではBH4のBATの分化に与える影響について検討した。BH4の産生能が低下したhph-1マウス及び対照マウスを用い、新生児期のBATを比較した所、hph-1マウスのBAT重量は小さく、熱産生が低下していた。hph-1由来前駆脂肪細胞では、BH4投与により分化能が回復した。さらに、妊娠hph-1マウスへのBH4を投与した検討では、BH4非補充群に比べ、新生児のBAT機能が改善し、成長後の高脂肪食下での耐糖能の悪化や体重増加が抑制された。
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自由記述の分野 |
糖尿病学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
BH4は胎児期のBATの分化に関与し、母体への補充療法は、子の糖・エネルギー代謝に有益な持続的効果をもたらす可能性が示された。本研究の結果は、BH4が、BATの成熟・分化のピークを迎える妊娠後期から出生時におけるBATの分化を制御するだけでなく、成獣期の過栄養環境におけるエネルギー代謝の適応機構にも影響を及ぼすことを示している。胎児期の種々の子宮内の環境要因は将来の生活習慣病の発症と関連するとされるが、現在までに、有効な介入手法は見出されていない。BH4投与によるBATの制御は肥満症及び糖尿病の発症を予防する、先制医療の標的となる可能性がある。
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