研究課題/領域番号 |
17K09833
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
代謝学
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
園田 紀之 九州大学, 大学病院, 講師 (30583182)
|
研究分担者 |
前田 泰孝 九州大学, 大学病院, 助教 (00621377)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | GLP-1 / 単球 / 炎症 / 心筋 / 臓器保護効果 |
研究成果の概要 |
本研究において申請者らは神経ならびに単球特異的GLP-1受容体欠損マウスを開発した。表現型が明らかとなった単球特異的GLP-1受容体欠損マウスを中心に解析した。本マウスは対照群と比較し、一見、正常に発育し、明らかな代謝異常を認めなかったが、生後約18週齢から心拡張機能障害を有した。この原因として組織ならびに遺伝子レベルにおいて、心筋の繊維化を認めた。これらの知見から単球を介したGLP-1の生理作用として、繊維化を含む炎症を制御することで臓器保護効果を発揮することが考えられた。以上より臨床的にも認められているGLP-1受容体作動薬の心血管保護作用のメカニズムの一つであることが示唆された。
|
自由記述の分野 |
内分泌代謝学
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により消化管ホルモンであるGLP-1の生理的役割の新たな一端が明らかとなった。これまで人における心保護作用の少なくとも一部は単球に発現するGLP-1受容体の抗炎症、抗線維化作用を介することを初めて明らかにした。その詳細な機序は今後の課題であるが、食事依存性に分泌されるホルモンであるGLP-1が臓器間ネットワークを介して多臓器へ作用を及ぼすメカニズムの解明が進めば、現在、臨床応用されている抗糖尿病薬としてのみならず、他の代謝疾患や炎症性疾患などにも臨床応用が可能となり、治療法が確立されていない多くの疾患への応用が期待される。
|