研究課題/領域番号 |
17K09837
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
後藤 理英子 熊本大学, 病院, 病院教員 (80748020)
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研究分担者 |
近藤 龍也 熊本大学, 医学部附属病院, 講師 (70398204)
荒木 栄一 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 教授 (10253733)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 鉱質コルチコイド受容体 / 膵α細胞 / IL-6 / エプレレノン |
研究実績の概要 |
本研究はアルドステロン阻害薬の膵保護作用のメカニズムを解明することを目的としている。 平成30年度は平成29年度に明らかとしたエプレレノン投与による膵α細胞からのIL-6分泌の機序が膵島の鉱質コルチコイド受容体を介することを確認するために、膵α細胞株であるαTC細胞のMRをノックダウン、もしくは過剰発現し、IL-6の発現量について検討した。 αTC細胞MRをsiRNAによりノックダウンすると、MR mRNAの発現は34%低下し、MRをノックダウンしていないαT細胞にエプレレノンを投与した時のIL-6 mRNAの発現量(コントロール群に比べて1.3倍に増加)に比べて、MRをノックダウンしたαTC細胞にエプレレノン投与した場合はIL-6 mRNAの発現量が42%に減少した。つまり、αTC細胞のMRをノックダウンするとエプレレノン投与によるMR mRNA増加およびIL-6 mRNAの増加が失われた。 αTC細胞にヒトMRを過剰発現してもIL- 6mRNAの増加は認められなかった。このためヒトの膵臓由来の細胞株であるIKEI細胞のMRを過剰発現しMR、IL-6 mRNAの発現量を検討した。Hillymaxを使用してIKEI細胞にヒトMR過剰発現ベクターpRR-MR-5Zを導入し、24時間ステロイドフリーFBS添加培養液で培養後にヒトMR mRNA、ヒトGR mRNA、マウスIL-6 mRNA発現量をqRT-PCRにより解析した。IKEI細胞のMR mRNA発現量はプラスミド導入により440倍に増加し、IL-6mRNA発現量も8.9倍に増加した。 これらの結果により膵α細胞からのIL-6の分泌には鉱質コルチコイド受容体が関与することが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
概ね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
IL-6プロモーターに鉱質コルチコイド受容体が結合し、IL-6の発現を誘導するかルシフェラーゼアッセイを行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
1,044,459円の残金は次年度物品、論文投稿、学会発表に使用する予定。
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