研究実績の概要 |
本研究はアルドステロン阻害薬の膵保護作用のメカニズムを解明することを目的としている。 前年度に引き続き原発性アルドステロン症と診断され同意が得られた患者について治療前後で75gOGTTを施行し負荷前、負荷後60分で活性型GLP-1濃度を測定した。13例において測定し、エプレレノン投与後75g OGTT時の血漿活性型GLP-1濃度60分値は投与前に比べて有意に上昇( n=13、2.74 ± 1.32 vs. 4.56 ± 2.39 pmol/L、p<0.05)した。 また、IL-6プロモーターに鉱質コルチコイド受容体が結合しIL-6の発現を誘導することをルシフェラーゼアッセイにより確認した。 平成31年度(令和元年度)はこれまでの研究成果を第62回日本糖尿病学会年次学術集会で発表した。また、論文投稿した(Goto R, Kondo T, Ono K, Kitano S, Miyakawa N, Watanabe T, Sakaguchi M, Sato M, Igata M, Kawashima J, Motoshima H, Matsumura T, Shimoda S, Araki E. Mineralocorticoid Receptor May Regulate Glucose Homeostasis through the Induction of Interleukin-6 and Glucagon-Like peptide-1 in Pancreatic Islets. J Clin Med 14;8(5). pii: E674, 2019.)。 これまでの結果より、膵α細胞のMRがα細胞からのIL-6およびGLP-1分泌増加に関与し、膵島細胞を保護する可能性が示された。
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