研究課題
2018年までの検討において2型糖尿病患者は睡眠時間は短く、睡眠の質は不良であることが明らかとなった。次に、睡眠障害と食事への影響を調べるため、今年度はまずその前提として本対象患者の食事状況について調査した。【方法】2型糖尿病患者を対象とし、睡眠状況、QOL、栄養摂取状況を評価するため(1)ピッツバーグ睡眠質問票日本語版(PSQI)。(2)糖尿病QOL質問票;DTR-QOL: 。(3)簡易型自記式食事歴法質問票;BDHQ。の各質問票による調査を行った。【方法】2型糖尿病患者4000名に対しBDHQによる食事横断調査を行った。3511名(男性2130名、女性1381名、平均年齢63.3)から有効回答が得られた。エネルギー、三大栄養素の摂取比率を調査した。【結果】対象患者の平均BMIは25.5±5.0、平均HbA1c7.2±1.2%、平均摂取エネルギーは1696.7±646.1kcal、摂取比はたんぱく質16.2±3.6%、脂質26.8±6.4%、炭水化物52.4±9.1%であった。次に、HbA1cにて5群に分け各群におけるたんぱく質、脂質、炭水化物エネルギー比率を比較した。HbA1c8%以上群ではたんぱく質比率が有意に低く、逆に炭水化物比率が有意に高値を示した。多変量解析にてHbA1cに寄与する因子は炭水化物摂取比率であることが明らかとなった。特に、炭水化物摂取比率は60%以上になると炭水化物比率46%以下群に比べてHbA1cが高くなること示された(7.0±1.2% vs 7.4±1.3%、p<0.001)。脂質摂取比率各群間には差を認めなかった。【結論】2型糖尿病の炭水化物摂取比率は52.4%と、比較的低いことが示唆された。また、糖質比率が高く、たんぱく質比率が低いことがHbA1c高値と関連することが明らかとなった。
すべて 2019
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)
J Diabetes Investig.
巻: 10 ページ: 309-317