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2018 年度 実施状況報告書

VAMP7を介した膵β細胞のミトコンドリア品質管理と糖尿病発症機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 17K09845
研究機関杏林大学

研究代表者

青柳 共太  杏林大学, 医学部, 講師 (50453527)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードVAMP7 / オートファジー / ミトコンドリア / 膵β細胞 / インスリン分泌
研究実績の概要

VAMP7は膜融合を仲介する、いわゆるSNAREタンパク質である。膵β細胞においてVAMP7はオートファゴソーム形成に関与することにより、機能不全ミトコンドリアの除去に関わることが我々の研究により明らかになっている。
VAMP7によるオートファゴソーム形成の制御機構について検討した昨年度までの研究により、1)VAMP7はオートファジー関連タンパク質であるAtg9aと同じ小胞上に局在し、オートファゴソーム形成に関与する、2)VAMP7はHrb、SNAP-47、Syntaxin16と相互作用することによりオートファゴソーム形成を制御することを明らかにした。そこで本年度はこれらの結果を論文にまとめて発表するために必要な研究を行った。
Atg9aをノックダウンすると、VAMP7、Hrb、SNAP-47、Syntaxin16をノックダウンした時と同様、細胞内に機能不全ミトコンドリアが蓄積し、グルコース刺激依存的なインスリン分泌が減弱することを明らかにした。つぎに、オートファジーによって分解されるミトコンドリアを可視化する蛍光タンパク質プローブを構築し、可視化解析を行った。その結果、Atg9a、Hrb、SNAP-47、Syntaxin16をノックダウンすると、オートファジーによるミトコンドリアの分解が抑制されることを明らかにした。さらに、SNAP-47とSyntaxin16の一部がVAMP7およびAtg9aと同じ小胞膜上に局在することを免疫染色法により明らかにした。昨年度までに得られていた結果とあわせ、これらの結果をEndocrinology誌に論文として発表した。
また、オートファジーを介したミトコンドリアの分解を可視化するプローブを膵β細胞に発現するマウスを開発し、機能不全ミトコンドリアの分解活性を可視化する実験系の構築に成功した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

VAMP7がAtg9aと協同してオートファゴソーム形成にはたらくこと、またVAMP7がHrb、SNAP-47、Syntaxin16と相互作用することによりオートファゴソーム形成にはたらくことについて論文にまとめることができた。
また、機能不全ミトコンドリアの分解活性をマウスにおいて可視化する実験系の構築に成功した。

今後の研究の推進方策

高脂肪食飼育したり、糖尿病モデルマウスと交配することにより、機能不全ミトコンドリアの分解活性を可視化できるマウスにおいて糖尿病を誘導し、機能不全ミトコンドリアの分解・蓄積のバランスと糖尿病発症の関連について解析を行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

VAMP7がAtg9aと共にはたらくことでオートファゴソーム形成を制御することを論文にまとめる過程で、見込んでいた実験の一部を行わなくて良いと査読者から指摘されたため。今年度の実験に必要な消耗品の購入に使用する予定。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] ELKS/Voltage-dependent Ca2+ channel-beta subunit module regulates polarized Ca2+ influx in pancreatic beta cells.2019

    • 著者名/発表者名
      Ohara-Imaizumi M, Aoyagi K, Yamauchi H, Mori MX, Hida Y, Tran HN, Ohkura M, Abe M, Akimoto Y, Nakamichi Y, Nishiwaki C, Kawakami H, Hara K, Sakimura K, Nagamatsu S, Mori Y, Nakai J, Kakei M, Ohtsuka T
    • 雑誌名

      Cell Reports

      巻: 29 ページ: 1213-1226.e7

    • DOI

      10.1016/j.celrep.2018.12.106

    • 査読あり
  • [雑誌論文] VAMP7 regulates autophagosome formation by supporting Atg9a functions in pancreatic beta-cells from male mice2018

    • 著者名/発表者名
      Aoyagi K, Itakura M, Fukutomi T, Nishiwaki C, Nakamichi Y, Torii S, Makiyama T, Harada A, Ohara-Imaizumi M
    • 雑誌名

      Endocrinology

      巻: 159 ページ: 3674-3688

    • DOI

      10.1210/en.2018-00447

    • 査読あり
  • [学会発表] VAMP7 regulates autophagosome formation by supporting Atg9a functions in pancreatic beta-cells.2018

    • 著者名/発表者名
      青柳共太、板倉誠、福冨俊之、西脇知世乃、中道洋子、鳥居征司、牧山智彦、原田彰宏、今泉美佳
    • 学会等名
      第91回日本生化学会大会

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公開日: 2019-12-27  

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